俺と「2014年の映画パンフレット」
映画と同じくこの一年に購入したパンフレットを振り返り始めてはや4年目。今年もいっぱいパンフレットを購入しては置き場所に困るという日々が続いています。そういった愚痴は置いといて、今年も私の印象に残ったパンフをさらっと紹介していきましょう!
・どっちから開く?
まず紹介するのはこちら「複製された男」のパンフレットです。
一見すると普通のパンフだと思うじゃないですか。でも、このパンフ実はこんな秘密が隠されてるんですな。
表面と裏面の向きが違う
表から読んでも良し!裏から読んでも良し!でも、途中でひっくり返してね、という複製された男のパンフ。映画のミステリアスな感じになかなかマッチしてた構成になってるパンフレットでした。
・三部作の終わり
さて、今年の終わりに無事シリーズが完結した作品と言えば、モチロン「ホビット」シリーズですよね。「ロード・オブ・ザ・リング」の方は劇場では鑑賞できなかったですが、こっちはしっかり劇場で堪能してパンフも集めてきたぜ!という事で、一挙に三冊見てみましょう。
さて、ホビットシリーズのパンフレットも普通のパンフと同じく、あらすじ、出演者の紹介、プロダクションノート(これは毎回超充実してる)なんかで構成されてるのですが、個人的には見開きの登場人物紹介がとてもいいと思います!
この「ホビット 決戦のゆくえ」を見に行ったときに旧作のパンフレットも販売してたりして、これはなかなか良い試みだなと思いました。劇場で見れなかったけどDVDとかで後追いした、なんて人にはうれしいサービスだと思います。この他には「ぶどうのなみだ」を見に行ったときに監督の前作である「しあわせのパン」なんかが売ってあったりして、こういう試みはどんどん広がってくれると良いですね。
さて、続いて紹介するパンフレットもパンフレット売り場に旧作のパンフレットを売っていた作品です。
・今回も濃い
映画は三作品目となった消耗品軍団ですが、パンフレットは相変わらず全然消耗品じゃないかった。今年も、濃すぎるすぎるキャスト紹介(ほとんどの主要キャストに二つ名をつけてたり)、悪ノリと言っていいほどの充実しすぎた企画ページ(秘密基地紹介やエクスぺ川柳)、そして年々細かくなっている主要キャストのフィルモグラフィなどなど、相変わらずの内容濃さでしたよ!
年々文字が細かくなっていく各役者のフィルモグラフィ
はい、なんかこの三つだけでも十分なような気もしますが、まだまだ紹介すべきパンフレットはいっぱいあるので、ドンドン紹介しましょうね。
・ピンク
ピンクのホテルが舞台のお話と言えばウェス・アンダーソンの「グランド・ブダペストホテル」ですだが、こちらのパンフもピンクをベースにしたとてもおしゃれなデザイン&充実した内容になっててますよ。
「グランド・ブダペスト・ホテル」はFOXサーチライトの作品なのですが、パンフの一部にそのFOXサーチライトの作品紹介も載ってまして、そこは黄色に統一されてるのですよ。こういう色のこだわりも、なかなか面白かったりします。
・気合の入った解説
プリズナーズのパンフレット。外見はかなり地味ですが…。
ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホールら主演俳優陣のインタビュー、コラムだけでなく
ポール・ダノ、メリッサ・レオなんかの脇を固める役者陣にもしっかりした解説のコラムがあり
なんと音楽、脚本、編集なんかの人まで解説があるのだ(写真だと分かりにくいですが…)
これまでのパンフと違って、表紙は一見地味ですが中身はひっじょうにしっかりしてる内容になっており、映画も重苦しくてダークな内容だけど、心にズシーンと残る作品でもあったなと思い出す内容でした!
・地味に進化してる
さて、2年前にこの振り返るをやった時に紹介した三大映画祭のパンフレットですが、なんと今年は当時と比べて大幅な進化を遂げていました!
ちなみに左が三大映画祭2012のパンフレット。当時はモノクロ&劇場係員が袋詰めしてたらしい…。
はい、大分雑な解説になってきてる気がしないでもないですが、この調子でドンドンはしょりながら紹介しちゃいますよ!
・共通項
さて、これから紹介する三つのパンフレットに共通する内容は何でしょうか?
左から「ハンナ・アーレント」「シンプル・シモン」「少女は自転車に乗って」
正解は「シナリオ採録」があるでした。シナリオ採録ってなんぞやって方に簡単に説明させてもらうと、登場人物の台詞や、舞台の様子なんかを文章で説明してるもので、映画の内容を思い返すにはとても便利な一品です。
さて、上記三作品以外にも今年シナリオ採録をパンフに収録してる作品がありまして、そのパンフの出来がとても良かったので紹介しましょう!
「そこのにて光り輝く」はパンフのインタビューも非常に充実してておススメ!
さて、肝心のシナリオ採録は左のページから始まります。
ネタバレなので未見の人は見ないで!(そもそも文字が小さくて見えない)
・アメコミパンフ4種
今年もいっぱいアメコミ原作の映画が公開されましたね。アメコミ原作のパンフレットは、出演者のインタビュー有り、原作の解説記事あり、設定などの細かい説明もモチロン有と、パンフレットの中でもかなり充実してるジャンルの映画じゃないかと思ってます。そんな中で今年は4作品のパンフレットを購入しました。
どれもなかなか充実した内容なのですが、個人的に一番グッときたのは「X-MEN:フューチャー&パスト」のこの企画でした。
X-MENシリーズの時系列が1つのタイムラインにまとまってて分かり易い!
今回の作品が過去作品の集大成的な内容という事もあり、見終わった後でこのタイムラインを見て、「あーなるほどなー」なんて思ったりしたのでした。
裏面はマグニートなんよ!
・小規模作品も頑張るよ
アメコミと言えば全世界規模でドーンって公開される大作映画の最たるもので、当然それに見合った内容のパンフになってるのは上述の通りです。でも、一般にミニシアター系と呼ばれるような作品の多分あんまり予算とかはないのだろうけど、そこのパンフも愛がこもってて良いのですよ。
そんなパンフの中で、特にグッときた二つを紹介しましょう!
「人生はマラソンだ!」のパンフには配給会社の社長がなんと劇中に登場したマラソン大会、ロッテルダムマラソンを走った記録なんかが載ってて面白いんですよ。勿論、マラソン大会を走った結果だけじゃなくて、配給するに至ったきっかけなんかも語ってて面白いです!
社長さんのフルマラソン自己ベストは3時間5分7秒とのこと
もう一つの「ブエノスアイレス恋愛事情」では、パンフのラストに編集後記が書いてあるんですよ。普通のパンフレットには編集後記なんてものはなかなかないので読んでみると、これがまた興味深い!なんせ冒頭から、「今回は、誰かにお願いする時間もお金もなくて、すべて自分で書きました。」なんて書いてるんですよね。それだけに、この映画への愛が伝わってきて、非常に胸に響く文章でした!
去年より、短く短くしようと思って書いてるのに、全然短くない…。でも、次のコーナー多分終わりなので、何とか年内に仕上げたい!(個人的な事情)
・邦画のパンフレットは充実してるのが多い
制作上の制約とかが色々あるとは思いますが、出来の良いパンフは洋画よりも邦画が多い気がします。特にその中でも今年グッときたコーナーのある4つを紹介しますね。
「ぼくたちの家族」「わたしのハワイの歩き方」「WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜」「神の月」の4つをチョイス!
「ぼくたちの家族」は原作者早見和真さんのコラムがとてもよかったのですよ。この映画自体私的にともグッと来る内容だったのですが、帰りの電車の中でパンフを読み返してこのコラムでまた目頭が熱くなったのを覚えています。
正直、今年一番ジーンときたコラム
「わたしのハワイの歩き方」はホント表紙のイメージ通りの明るくポップな内容ですが、ハワイ映画と言えばおなじみ(ファミリーツリーとかね)ハワイのロケ地マップもあり、アレな年明けの仕事は休んでちょっとハワイに行きたいぐらいですよ!
ハワイ映画と言えばロケ地マップだろ!
ところでこの映画の高梨臨さんはとても良いです!
全世界の見開きマニアの方、こんにちは!今年も見開きページの時間がやってきました!!今年私がグッと来た見開きは、「WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜」の舞台である神去村のイメージ図です。異論は認めます!
毎年こういうのを紹介してますが、こういうのが好きなんですよ!
「ぼくたちの家族」が今年一番グッと来たコラムだとすると、今年一番興味深く読んだコラムは「紙の月」の大根仁さんのコラムですね。同じ映画監督、しかも異業種からの参入者という二人に共通する背景の話や、今の映画業界の話もあり、そしてもちろんこの映画そのものについての説明、どれをとっても非常に面白くて、こういうコラム読むためにパンフ買ってるんだよなと思わせてくれる内容でしたね。
そろそろ今年一番面白かったパンフレットの発表です。今年一番面白かったパンフレットは「ぼんとりんちゃん」のパンフレットです!
という訳で、以下は「ぼんとリンちゃん」のパンフレットが如何に良かったかの解説です。
・袋へのこだわり
普通のパンフレットだと、各映画館のオリジナル袋なんかに入れられて渡されるわけですが、このパンフレットはそこから違うんですよ!
大分しわくちゃになってますが、劇中に登場する虎のあなの袋に入ってるのです
・内容のこだわり
用語辞典もついてる!他に何を望むというのか!!(シナリオ採録かな…)
こんな感じで「ぼんとリンちゃん」のパンフレットの凄さの一端が伝われば幸いです。
という事で、年末から書き始めたこの記事を書いていると、いつの間にか年が明けてしまいましたが、今年も良い映画と良いパンフレットに出会えますよう
良い一年を!