俺と「2015年の映画パンフレット」
映画と同じくこの一年に購入したパンフレットを振り返り始めてはや5年目。今年も年末に帰省してパンフを撮影している私の様子を両親からは怪訝そうに見られていますが、そういった愚痴は置いといて、今年も印象に残ったパンフをさらっと紹介していきましょう!
・今年のベストパンフレット
今年はもったいぶらずにベストのパンフレットをさっさと紹介しちゃいましょう。
ハイ、という訳で「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のパンフレットが今年のベストパンフレットでした。映画の内容も非常に濃い作品でしたが、パンフレットの方も映画の内容に負けず劣らず濃い内容になっています。
主要キャストのインタビューやフィルモグラフィなんかはモチロンのこと、「アフリカの砂漠での撮影が大変だった!」と言った撮影裏話が載ってるプロダクションノート部分、そして何より綿密に練られた設定の詳細が載っているのが嬉しいのです。
また、伝説的なシリーズの27年ぶりの新作という事もあり、過去作の解説も非常に充実していたの印象的でした。
過去作のコーナーということでメル・ギブソンを当然出てきます。
マッドマックス2で印象的なあいつのインタビューもあるでよ!
という訳で、皆さんの今年のパンフレットライフはいかがでしたか?来年も良い映画とパンフレット
に出会えますように、といことで良いおと…。
えっ?他のパンフレットもちゃんと紹介しないとダメ…?
・シリーズの後継者
マッドマックスと同じく今年は伝説的なシリーズの数年ぶりの続編がいくつも公開された年でもありました。その中で年末公開されたのが「クリード チャンプを継ぐ男」です。
ちなみに同時期に公開になった「スター・ウォーズ フォースの覚醒」は限定パンフが来年に届く手筈となっているので、未だに内容は良く分からないという…。
「クリード」も「マッドマックス」同様にシリーズもの続編ですが、両者ともに過去作見てなくても十二分に楽しめる作品だと思います。ただ、「クリード」の方は過去作とのつながりの部分が所々に顔を出してくるだけに、「アレ?過去作ではどうだったっけ?」となることもしばしば。
そういう部分をおさらいできる、過去作の解説が非常に充実してるパンフレットでもありました。(1作目からロッキー・ザ・ファイナルまで網羅!)
サバイバーの名曲「Eye of the Tiger」も印象的な三作目
・内容が充実
「クリード」のように過去作の解説が印象的なパンフレットもありますが、映画の大半は続編モノばかりではありません。しかし、そういった作品にも色々と趣向が凝らされているもので、それらを紹介していきましょう。
まずは、多くの人の胃袋を刺激したであろう映画「シェフ シェフ 三ツ星フードトラック始めました」
有名レストランに勤めていたシェフが、再起をかけてフードトラックでキューバサンドを売るという物語ですが、とにかく出てくる飯が美味そう!という作品で、今年の映画の中でもトップクラスに出てくる飯が食いたかった作品でもあります。
そんなこちら側の心情を察してか、パンフの中には出てくる料理の一部のレシピが載ってたりします。ということで、映画に出てくれるあの料理屋この料理も自分の家で作れるパンフレットになっていました。まあ、私は作ったりはしてませんが…。
映画のパンフレットに欠かせないものと言えば、監督や主要キャストのインタビューですが、今年最もそれが充実してたであろうパンフレットがこの「優しい人」のパンフレットです。
通常のパンフレットのインタビューは当然ながらその作品のインタビューが載っているのですが、やさしい人は通常のインタビューに加えて、他の媒体に掲載された監督のインタビューが複数収録されたりして、インタビューが最も充実していたと言っても過言ではない内容になっていました。
パンフレットに載ってあると嬉しいものと言えば、もちろんシナリオ採録ですよね。という訳で、今年紹介するシナリオ採録が載ってあるパンフレットはこの作品です。
横道世之介のその後といった感のある高良健吾の演技が印象的だった「きみはいい子」
映画見終わった後にうろおぼえの記憶であれこれ思い返すのモチロン楽しいですが、やっぱりこういう風にしっかりと台詞を書き起こされるとより鮮明に内容を思い出せるように思います。
もちろん、自分で台詞を音読して高良健吾ごっこや尾野真知子ごっこ、はたまた富田靖子ごっこをするのもアリだぞ!
さて突然ですが、皆さん1回の鑑賞でしっかりと内容を理解できますか?もちろん私は理解できない時が多い、いや殆どだったりします。特に、SF系なんかは設定が凝っていれば凝っているほど、頭がこんがらがってきてしまいますね。
もちろん、見終わった後にそういう部分をあれこれ考えるのが非常に楽しいのですが、そこら辺の解説が印象的だったのがこちらの作品です。
まさに予想外の衝撃的な展開!だった「プリデスティネーション」
この作品とにかく時系列の入れ替わりが複雑で、お前が俺で俺がお前?なんて思っちゃうほどに見終わった後に色んなことが渦巻いちゃう作品でした。
しかし、パンフレットにはその部分の解説がしっかりと記載されて、「おーなるほど!」と頷いたのでした。
さて、パンフレットと言えばその映画に関するコラムも見どころの一つですよね。そんなコラムが充実してたなと感じた作品が「人生スイッチ」のパンフレットです。
この映画6本の短編からなるオムニバス映画なんですが、なんと各短編に解説とコラムが載ってるんです。しかも、それぞれが別の人がコラム書いてるのですよ。普通なら各短編の紹介と映画全体でコラム1本って感じでも十分よさそうなのに、なかなかしっかりしたパンフレットで好感が持てるなと妙に上から目線になったりしました。
そして毎年紹介してますが、やっぱり内容が充実していると言えばアメコミ原作映画のパンフレットでした。今年は「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」と「アントマン」を紹介しましょう。
「アベンジャーズ」では各国ロケを行った際の裏話や…
「アントマン」では今後のマーベル作品での立ち位置が説明されていたりと納得の出来!
毎回アメコミ映画を見に行くのですが、基本的に門外漢なので原作では云々とか、過去作との関連が云々なんていう部分は全く知らずに、もしくは記憶もおぼろげに見に行くのです。なので、こういったパンフレットの解説は非常に参考になっています。(ただし、次回見るときは忘れてる)
さて、結構色々紹介してますが、まだまだ素材はいっぱいあるので、年が変わる前にドンドン紹介しちゃいましょう。
・凝ったデザイン
パンフレットは内容の充実もモチロンですが、デザインが良くで見ても楽しめるっていうところもポイントだったりします。ココからはそんな印象的なデザインのパンフをいくつか紹介しましょう。
まずは「マイ・ファニー・レディ」のパンフから!
…スミマセン。次に紹介する「マジック・マイクXXL」は、もうちょっとインパクトのあるデザインだと思います。
表紙はチャニング・テイタムですが…
なんと縦開きになってるパンフレットでした!(ぶっちゃけ読みにくい…)
…次こそは、次こそは皆が唸るちゃんとしたデザインのパンフレットを紹介しますので、もうちょっとだけお付き合いを…。そのパンフレットとはポール・トーマス・アンダーソン監督の「インヒアレント・ヴァイス」ですよ!
このパンフレット分かりにくいですが、本のようなデザインで印象的です!
目次もあってなんか1冊の本を読んでいる印象にさせてくれますね!
はい、お次に紹介するのは「パージ」「パージ:アナーキー」のパンフレットです。このパンフレット1冊で2作品のパンフレットになってまして、劇場で「パージ面白かったな。パンフ買って帰ろう」と買った私が帰りの電車で「ウワッ、これ来週から公開のパージ:アナーキーの内容もあるやん」と危うくネタバレを食らいそうになった1冊でした。
裏面から読むと「パージ:アナーキー」
お次は「SAINT LAURENT サンローラン」のパンフレットです。このパンフレットと「セッション」のパンフレットはパンフが裸で渡されるのではなく、薄いビニール包まれているというワンランク上の扱いをされてるパンフレットでしたよ。
あと、このパンフもプロダクションノートがとても面白くておススメ!
さて、このコーナーラストに紹介する作品は「サンローラン」と同じフランス映画の「EDEN/エデン」です。取りあえずその外見を見てもらいましょう。
右は比較対象の「アントマン」
「アントマン」のパンフレットも結構大きめなんですが、それよりも一回り大きなサイズのパンフレットで、持って帰るのに結構苦労しましたよ。
この映画フランスのクラブミュージックを題材にしてるので、アナログレコードのジャケットサイズになってるんですね。
そのレコードを意識したデザインはパンフレットの中にも随所に見られて、とても印象的なんですよ。
あと、監督による楽曲の解説を「ライナーノーツ」って書くセンスも最高!
印象的なデザインの紹介はこの位にして、お次はまた別の視点でパンフを紹介したいと思います。
・邦画のパンフレットは良い
毎年毎年言っていますが、邦画より洋画の方が見る回数が多い私でも、パンフレットのクオリティはやっぱり邦画の方が高いと思ってます。そんな邦画のパンフレットの中でも特に印象的な三つを紹介しましょう!
先ずは私が勝手に文化祭映画と呼んでる「心が叫びたがってるんだ。」
この映画、全くのノーマークで見に行ったらホントに凄い良かったんですよね。で、普段はこういうジャンル(邦画のアニメ)のパンフレットは買ったことが無いのですが、パンフレットの方も映画に負けず劣らず印象的でした。
例えば舞台となっている秩父の街並みの紹介なんかは、私が近くに住んでるならちょっと遠出して聖地巡礼したくなるし、ミュージカル映画ということもあって劇中のあの曲やこの曲の歌詞もしっかり載ってるのもポイント高し!
実写と言ってもそん色ないほどにリアルな秩父の街並みの紹介
80日間世界一周のメロディに乗せる「玉子の中にはなにがある」の歌詞もあるよ!
お次は上半期に強烈な印象を残してくれた作品、「ソロモンの偽証」のパンフレットです。
ちなみに内容はどちらかというと作品の解説が多めの前篇に比べて、すべてが完結した後篇は作品を作る側の解説が充実してた後篇とそれぞれに特色がありましたね。
撮影監督の藤澤順一の解説が印象的なのが後篇
そんな邦画のパンフレットの中でも特に印象的だったのが「俺物語‼」です。
「シェフ」に負けず劣らず凛子ちゃんの手料理レシピもあるでよ!
そして猛男の役作りで体重を大増量した鈴木亮平はやっぱスゲエ!
この他にも漫画原作ということもあって、原作者へのインタビューもあり、もちろんキャストへのインタビューもありと充実の一冊ですね。あと、「ソロモンの偽証」でも書いたのですが、邦画だと監督や主要キャスト以外の人からもインタビューが載せやすいので、様々な視点でこの作品が語られれてて面白いなと思いますね。
さて、良いパンフレットがあればモチロン微妙なパンフレットもある訳で、そういうパンフレットもさっくり紹介しましょう。
・微妙なパンフたち
先ずは、表紙と裏表紙を入れても全8ページ。内容も薄目で映画の絶妙なちーぷさと絶妙にマッチしてる「ゾンビーバー」だ!
お次は刑務所内での暴力と人間関係を描いたドラマ「名も無き塀の中の王」ですよ!こちらは何と全6ページ、もっと言うと表裏1枚というなかなかアグレッシブな内容になってます。
次に紹介する「Mommy」は、映画自体は今年ベスト級に大好きな作品です。パンフも1,000円もする立派な奴なんですが、がっ!内容が作品の解説よりもグザヴィエ・ドランマガジンみたいになってて、「俺が見たいのはこれじゃないんだ…」ってなっちゃった一冊ですね。
カンヌのスピーチや監督の写真いっぱい載せるぞ!(作品解説が多い方が…)
ハイ、そんな微妙なパンフがあったりしましたが、その中でも最も微妙だったパンフがこちらになりますよ!
・パンフレット高すぎ問題
さて、皆さんはパンフレットの相場って幾らぐらいだと思いますか?
私見だと、通常のパンフレットで700円台、ちょっと内容が濃いなって思うパンフレットで800円台で、パンフレットが豪華な作品でもだいたい1,000円が上限って感じです。
しかし、「二十歳」のパンフレットの値段は1,800円でしたよ!ちなみに、私が映画そのものを見た値段は会員割引とかのおかげもあり1,000円だったので、パンフレットの方が映画そのものよりも高いという異常事態に…。
という訳で1,800円の超豪華パンフレットを紹介しましょう!
以上です。
以下は個人的な見解ですが、韓流アイドルが出てるからって普通のパンフにクリアファイルつけて1,800円とか、ちょっとファンの足元見すぎじゃないですかね…。そういうのを意識せずに見に行った側としては、100歩譲って1,000円でも良いから、普通のパンフを売ってほしかったなと思う訳です。(クリアファイルは別売りでもよくね?)
こういうやり方で売ってると、アイドルファン以外で見た人は作品の良し悪しとは別の所でドン引きして、「コレ、面白い作品だよ!」って薦める気が起きなくなると思うのですが…。
ハイ、なんか重苦しい空気になっちゃったので、ラストはチョットした自慢で2015年を〆たいと思います!
・サイン貰ったよ!
ハイ、文字通り監督さんや役者さんにサイン貰った!っていうだけのただの自慢です。大阪の劇場だとたまに舞台挨拶付きの上映があったりして、そういう上映会に参加してパンフレットを買うとサインがもらえたりするんですね。
今年貰ったサインはこの二作品でした!
遂に3作目まで作られてしまったムカデ人間
サイン貰ったのは先頭だったこの人(北村昭博さん)!
映画自体は…という出来に思ったのですが、北村昭博さんのトークは軽妙で正直映画以上に面白かったですね。ちなみに北村さんからサイン貰ったのは二回目で、初代ムカデ人間のパンフにもサイン貰ってます!
そしてもう一人サインをもらったお方は「恋人たち」の橋口亮輔監督でした。初橋口監督作品でしたが、この「恋人たち」は本当に面白くて、サインと握手してもらう時にちょっとお話させてもらって、「○○のシーン良かったでしょう」と言って貰ったりしました。
ということで、今年は年内に何とか書き終えることができました。来年も良い映画と良いパンフレットに出会えますよう
良い一年を!