俺と「2016年2月の映画」

やばい、もう上半期が終わってしまう。上半期にしたかったことのうち半分もできたないのですが、とりあえず2月分の良かった映画についてはなんとかざっくりした感想を仕上げておきましょう。

ザ・ウォーク

昨年の試写会でレーザーIMAXで一足先にこの作品を鑑賞をした人から「レーザーIMAXでの鑑賞マジおすすめ!」とおすすめされたので、会社有休とって109シネマズエキスポシティに初めて行ってきて見てきました。その映像については、映画の前半でJGLが師匠に綱渡りを教えてもらうシーンがあるんですが、そこで彼がバランス取るようの棒を落としたシーンで、落ちてくる棒を「うわっ、当たる!」と思って思わずのけ反ってしまったほどにしまった位に最高の臨場感ある映像でとてもよかったです。
あとは、今までのJGLのイメージとは結構違う「傲岸不遜」という言葉がぴったりな彼のキャラクターがインパクトありましたね。映画冒頭のジャグリングのシーンでも、クライマックスのWTCのシーンでも、自分の領域は誰にも侵させない彼の姿がとても印象的でした。



ディーパンの闘い

予告編も一切見ず、監督がジャック・オディアールだと言うことと、カンヌ映画祭で審査員の満場一致でパルムドールを獲得したということぐらいの前情報で見に行ったわけですが、これが同じ日に見た「サウルの息子」と同じぐらいの衝撃的な作品で、こんなすごい映画を1日に2本も見るなんて、俺明日死ぬんじゃないかと心配になったほどの作品でした。
映画の内容に触れるとその時の感触が消える気がするので、あえて本編の内容とは関係ない話を一つだけ書くと、これまで「預言者」、「きみと歩く世界」でカンヌ映画祭コンペティション部門にノミネートされながらも、惜しくも受賞することができなかった彼は、今回の受賞の時にかつてどちらの作品を出品した時にもパルムドールを獲得したミヒャエル・ハネケに対して、「ミヒャエル、今回は映画を作らないでいてくれて本当にありがとう!」とウィットにとんだ祝辞を送った話も映画と同じくらい最高に好きです。



「オデッセイ」

何はともあれポジティブすぎるマット・デイモンのキャラクターが最高である。「火星に一人ぼっち」という最もやるせない状況の中でも、忍耐強くやれることをやる姿勢、極限の状態の中でも、サバイバルのための手段を次々と考えていく賢さ、そして何より、辛い状況に置かれても後ろ向きにならず、常にユーモアを交える性格、困難な状況を乗り越える彼の全てが、見ているこちらに勇気を与えてくれるようなキャラクターで素晴らしい。
そして、彼を必死で救出しようとするNASAの面々やアレス計画のメンバーも同じくらい素晴らしくて、聡明で決断力のある女性艦長のジェシカ・チャスティンやクルーの中でもマット・デイモンと並ぶユーモラスなキャラクターのマイケル・ペーニャ、また、NASAの専門家チームもこれぞ専門家!って感じで最高。うちの会社もこんな感じだったら良いのに!
あと、「映画も良いけど小説のほうも良いぞ!」と勧められたので原作小説を読んでるのですが、こちらも最高。人類はもっとダクトテープを讃えるべき。



スティーブ・ジョブズ

こちらはオデッセイとはうってかわって、こんな人とは一緒に仕事したくないなと思わせる人の映画でした。
スティーブ・ジョブスと言えばアップルのカリスマ的な経営者で、この人にあこがれる人も数多くいると思うんですが、この映画の中での彼はカリスマというよりも、とってもメンドクセー奴−無茶な納期を押し付けてくるといったパワハラ野郎、間違いを指摘されても絶対曲げない頑固者、私生活もズタボロ…−と三拍子そろった男で、こんな奴と一緒に仕事したらすぐに胃に穴が開くと思いますね。
とは言え、映画としてはそのメンドクセー奴が他のメンドクセー人と会話、もう口げんかに近いレベルの会話をしてる様子が何より面白くて、「おとなのけんか」のような、完成された舞台劇を見てるような気持にさせてくれる作品でした。