俺と「聖なる犯罪者」

1月に見た映画の中で頭一つ抜けて面白かったのが本作「聖なる犯罪者」。昨年のアカデミー長編国際映画賞にノミネートされ、「パラサイト」という作品賞も受賞してしまったとんでもない作品があったため、賞レースにおいてもそこまで話題にならなった不運の作…

俺と「2020年の映画」

映画のような出来事が現実に起きるなんて表現はこういう年に使うんだろうなという年だった2020年。とはいえ振り返ってみると緊急事態宣言が発令された4月7日にも映画館で映画(「ナイチンゲール」)を見ていたり、解除されたその週である5月30日にも映画(「…

俺と「TENET」

クリストファー・ノーラン監督の最新作「TENET」見てきました。私の中でもかなり作品ごとの評価が乱高下する監督ですが、本作の印象は好き↔嫌いとか、面白い↔面白くないといったいつもの映画を見終わった後の第一印象とはちょっと違う、「頭を使いすぎた…」…

俺と「ルース・エドガー」

映画館が営業再開してから一か月ほど経過し、私もボチボチ映画館に通っております。例年ならそろそろ上半期の映画のまとめでもするかという感じですが、まあご時世的にそんな気にもなれずということで、久々に最近見た映画の感想をリハビリがてら書いてみよ…

俺と「2019年の映画」

映画を劇場でよく見るようになってから丸十年を迎える今年。今年も映画ばっかり見てる生活を送ったりしてましたが、そんな2019年の映画まとめです。

俺と「家族を想うとき」

ケン・ローチの新作「家族を想うとき」を見ました。 監督の前作「わたしは、ダニエル・ブレイク」同様に現代社会に対するかなり痛烈な批判が込められた非常に重いテーマの作品であり、個人の善意ではどうしようもなくなってしまった現代社会というシステムが…

俺と2019年下半期の映画

2019年の12月の初頭のある晴れた寒い日。 「これでよしっ…と」 「あれ、トニー何してるの?」 「やあ、フィル。ちょっと張り紙をね。」 「なになに…”本年の営業は終了しました。来年の営業開始日は未定です。”ってこれどういうことよ!」 「えっ、書い…

俺と「守護教師」

残暑が厳しいある夏の昼下がり…。 「やあ、マイク。相変わらず暑いね。」 「久しぶりだねフィル。僕に用ということはまた映画の件かな。」 「察しが良いね。最近、韓国映画にハマってね。で、ある俳優の主演作品を見に行こうか迷ってて、君に相談しようかと…

俺と「よこがお」

深田晃司監督の「よこがお」を見てきました。 同じく筒井真理子が出演している「淵に立つ」以来の深田監督作でしたが、相も変わらず何とも言えない不穏さ、いい意味でのおさまりの悪さが印象的な作品でしたが、それ以上に主演の筒井真理子の圧倒的な存在感と…

俺と2019年上半期の映画

今年も半年が過ぎ、年号が平成から令和に変わったり、映画料金がほとんどの劇場で上がったりと色々あったりなかったりですが、なんだかんだでいつも以上に映画館で映画を見てしまったので、久方ぶりに上半期に見た映画を振り返ってみたいと思います。

俺と「2018年の映画」

実は大みそかの今日も映画を見に行く予定ですが、まあ、それはそれ、コレはコレということで2018年の映画を振り返っていきましょう。 ・劇場鑑賞作品数 新作映画:174本(2017年177本) その他映画:23本(2017年26本) 計:197本(2017年203本)・劇場鑑賞…

俺と「イット・カムズ・アット・ナイト」

最近A24のホラー映画「A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー」「へレディタリー/継承」「イット・カムズ・アット・ナイト」を立て続けに見てどれもなかなか印象的だったのですが、特に「イット・カムズ・アット・ナイト」が終わった後にじわじわと味わい…

俺と「きみの鳥はうたえる」の舞台挨拶

先週土曜日に大阪であった「きみの鳥はうたえる」の舞台挨拶付き上映に行ってきました。 舞台挨拶と言いつつもほとんどが三宅監督と観客とのQ&A形式で、映画を見ていて引っかかった部分や、監督自身のいろんな背景や考え方が聞けて良かったので、覚えてる範…

俺と「タリーと私の秘密の時間」

「タリーと秘密の時間」を見てきましたよ。ジェイソン・ライトマン監督&シャーリーズ・セロン主演という「ヤング≒アダルト」と同じ組み合わせの作品ですが、本作もとても良かったなと思いましたね。 あちらの主人公メイビスはタイトル通りどこかで大人にな…

俺と「キスできる餃子」

通勤や出張とかでJRに乗っているとたまに駅の広告や電車内の広告で見るのが「本物の出会い栃木」というキャチコピーですが、「はたして栃木に行けば本物に出会えるのか…!?」という疑問を解き明かすため、私は栃木行の電車に飛び乗ったのであった…。ちな…

俺と「殺人者の記憶法:新しい記憶」

「殺人者の記憶法」(以下、オリジナル)と「殺人者の記憶法:新しい記憶」(以下、新しい記憶)見てきました。ここ数年の韓国映画よろしく一筋縄ではいかない内容ながら、笑いあり、親子の絆ありと非常にエンタメとして完成度高い作品だと感じたので、そり…

俺と「2017年の映画」

振り返ってみると実は去年分をやってない!という事実に気付いたりしましたが、まあ、それはそれ、コレはコレということで2017年の映画を振り返っていきましょう。 ・劇場鑑賞作品数 新作映画:177本(2016年180本) その他映画:26本(2016年15本) 計:203…

俺と「パターソン」

ジム・ジャームッシュの「パターソン」を見た。アメリカのそんなに大きくない街パターソンに住むパターソンさん(アダム・ドライバー)の一週間を描いた物語で、びっくりするほど映画的な大きな出来事は何も起きない、いわゆる日常系と呼ばれるような作品だ…

俺と「ベイビー・ドライバー」

エドガー・ライトの「ベイビー・ドライバー」を見た。元より洋楽好き、それも私の世代よりも一昔前、私が生まれる前の時代の音楽が好きということもあって最高の音楽映画だった訳だが、今回は「音楽と演出最高!」という私にとっては一番グッときたポイント…

俺と「歓びのトスカーナ」

好きな映画監督を教えてくださいと言われると、あれもこれも思いついて中々選べないですが、好きなイタリア人監督を教えてくださいと聞かれることがあるのなら、間違いなくこの人をあげるであろう私の大好きなイタリア人監督パオロ・ヴィルズィの最新作「歓…

俺と「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」

「ダラス・バイヤーズクラブ」のジャン=マルク・バレ監督作でジェイク・ギレンホール主演の「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」を見てきました。映画の大枠は、不慮の事故で突然妻を亡くしてしまう夫の物語で、昨年の「永い言い訳」を思い起こすよう…

俺と「ロボット・ソリのQ&A」

映画祭のレイトショー的な上映時間なのにQ&Aしてサイン会までしてくれた「ロボット・ソリ」のイ・ホジェ監督に敬意を表して、相変わらずメモすら取っていないその内容を、忘れる前にざっくりした範囲で書いときます。(間違いとかは大目に見てね)・監督…

俺と「パティンテロのQ&A」

大阪アジアン映画祭2017で見た「パティンテロ」。映画の方もなかなか面白かったですが、ミーク・ヴェルガラ監督のQ&Aが負けず劣らず非常に面白かったので、備忘録としてうろ覚えの範囲で書いときます…。(間違っててもご容赦を…) ・監督挨拶 「今日は私…

俺と「たかが世界の終わり」

公開を心待ちにしていたグザヴィエ・ドランの新作「たかが世界の終り」をちょっと前に見てきました。見終わった後の率直な感想は”ドランの作品の中では「トム・アット・ザ・ファーム」よりは好き”といった感じの作品でしたが、意外に結構後からじわじわくる…

俺と「シネマート心斎橋でドラゴン×マッハ!を見る方法」

〜1月20日金曜日の昼下がり〜「やあマイク、久しぶり!」 「フィル。今年もよろしく!」 「新年早々、どうやら凄いアクション映画が公開されてるらしいじゃないか。」 「もしかして、”ドラゴン×マッハ!”のことかい?いやー、ホント凄い映画だったよ。」 …

俺と「2016年の映画をふりかえる」

2016年は途中からすっかり映画感想を書くことをサボってしまい、いつの間にか年も明けてしまいましたが、ぼちぼち昨年の映画を振り返ってみようと思います。 ということで、例年通り鑑賞本数とかベスト10的なものを発表しても良いのですが、数年前まで空中キ…

俺と「ハイローの秘密」

これは秋の深まりを感じるある午後に起きた出来事です…。「やあ、ピーター。どうしたんだい?そんな世界が終わりそうな表情をしてるけども」 「マイク…聴いてくれるかい?実は僕、大変なことに気付いてしまったようなんだ…」 「大変なこととか言いながら、本…

俺と「映画館でのスマホ」

それでは、本日最初の相談は”映画館で起きた不快な出来事”尾崎タイヤ・シャンティのお二人です。タイヤ(以下T)「今日の相談というのはですね、僕の知り合いのエイトのことなんですが」 シャンティ(以下S)「あのエイト君ね」 T「おう、君知ってるのかい!…

俺と「2016年2月の映画」

やばい、もう上半期が終わってしまう。上半期にしたかったことのうち半分もできたないのですが、とりあえず2月分の良かった映画についてはなんとかざっくりした感想を仕上げておきましょう。「ザ・ウォーク」昨年の試写会でレーザーIMAXで一足先にこの作品を…

俺と「リップヴァンウィンクルの花嫁」

岩井俊二監督の「リップヴァンウィンクルの花嫁」をちょっと前に見ました。 初めて岩井俊二監督作品を見たのですが、とにかくその寓話のような世界観とそれにマッチした役者陣に魅了されて、コレはなんか感想書かないとな…と思うような作品だったのでした。 …