俺と「2012年の映画パンフレットをふりかえる」

「映画もいいけど、たまにはパンフレットもね!」


という訳で全国数万人居るかどうかは分かりませんが映画とパンフレットを愛する皆様、そして映画は見るけどパンフレットはあんまり買わない皆様、はたまた映画よりもパンフレットをこよなく愛する皆様もごきげんよう
年の瀬も迫って今年一年を振り返る的なムードが高まってる今日この頃、巷では2012年のあの映画やこの映画がよかった的なランキングが発表されてますが、
「映画ランキングが発表されても、映画パンフレットのランキングが発表されないのはおかしくないか!」
という義憤に燃えた男がここに1人!(かなり誇張してます)やっぱり映画が面白いとその「面白かったよ!」と言う証を残したいのが人情と言うもの、そのためのベストアイテムがパンフレットですよね!ですよね!
そんな訳で映画を見たついでに買っちゃったり、買わなかったり(まあ、そもそもパンフレット自体がねえよ!なんて映画もありますが…)、そんな映画のパンフレットたちを振り返ってみてベスト10を選んでみました。ルールとしては映画としての好き嫌いよりも、パンフレットとしての好き嫌いを重視し、厳正に厳正なる考慮をしたつもりで選びました。まあ、基本的に映画が面白かったからパンフレットを買ってるので、好きじゃない映画のパンフレットは殆ど買ってないのです。
ちなみに、2012年はパンフレットを80個購入しているようです。アレか、私はパンフ収集家にでもなりたいのか?そんな大量に購入したパンフの置き場所に最近困ってきてるのはココだけの秘密ですよ!

さて、厳正な審査の際に重視したポイントは次の2つ、


1.パンフレットとしての情報量
2.デザインのカッコよさ


と言うわけで、10位〜4位までを一気に発表しちゃいましょう。


2012に購入したパンフレット!(…の一部)



第10位 アルゴ

ベン・アフレック監督主演のニセ映画を作ろうとする映画のパンフが第10位ですよ。ストーリーの解説があり、主演キャストや監督のインタビューがあり、キャストやスタッフの紹介があり、プロダクションノートがありと、パンフレットの内容としては王道中の王道で文句なし。デザイン的にはパンフレットの右端の部分が非常に良いですね。この右端の部分、パラパラめくるとちょっと映画のフィルムっぽくなるので、ニセ映画を作る作品のイメージと合ってい非常にお気に入りです。


こういう遊び心の部分が非常にグッと来ます!


第9位 ファミリー・ツリー

第9位はジョージ・クルーニーがハワイでドタドタ走る映画のパンフでございます。パンフの内容的にはこちらもアルゴと同じく、キャストのインタビューなど押さえる所をきっちり押さえる内容になってますが、特に良いなと思ったのは作品の舞台であるハワイの文化を紹介してくれてる点。特に表紙の次のページは折込式で物語のロケ地やハワイの観光地を紹介しており、映画の内容と併せて非常にハワイに行きたくなる内容ですよ!


日本の寒さから逃げ出してハワイに行きたい…。



第8位 ホビット 思いがけない冒険

ロード・オブ・ザ・リングの前日譚でなぞなぞ映画のパンフレットが第8位。このパンフ値段は800円と普通のパンフに比べると気持ち値段が増しますが、それに見合うだけの重厚さがありますよ。なんせ、プロダクションノートの部分が15ページもあるんですよ!映画も長くて見ごたえありましたが、プロダクションノートも非常に長くてそれに見合う読み応えがありますよ。その他にも折り込みページを開く形式で3ページ分もあるキャラクター相関図や、中つ国の地図などもあって折り込みマニアも納得の出来。これなら800円に見合うだけの内容だと思いますね!


折り込みマニアも納得の出来!



第7位 夢売る二人

2012年第7位のパンフレットは阿倍とお松の夫婦が結婚詐欺を頑張る映画です。このパンフレットの私的評価ポイントは、非常にコンパクトな事ですね。他のパンフレットに比べても、格段に小さくて、文庫本の感覚で読めて気持ち良いですね。そして、内容も充実しておりまして、エンドロールで「えっ、この人でてるの?」ってなる部分を、しっかりとフォローしてたりしてくれてます。あとは、コラムも良かったな。こういうパンフのコラムって、「ここはお前の自由帳じゃ無いんだよ」って言いたくなる様な感想がたまに載ってたりするんですけど、このパンフの中にある角田光代さんと巽孝之さんのコラム、特に角田さんのコラムは、この映画の中で私が感じていたこと、気づいてなかったことを言語化してくれて、今年パンフのコラムの中で一番好きなコラムです。


サイズは小さいが中身は濃い!



第6位 桐島、部活やめるってよ

キャプテンはとりあえずドラフトまで野球続けるってよ、って映画のパンフレットが第6位です。この映画のパンフレットの見所は何と言っても、プロデューサが綴った4ページにもわたる制作日記ですよ。「どんな感じで映画って作られてるのかなとか」、「映画の撮影現場の雰囲気ってどんな感じだろう」っていう情景が、一文字一文字から感じ取れる内容で凄く面白いです。で、その製作日記の後が映画のオフショット的な写真で埋まってて、こいつら普段はこんな表情なんだなーっていうのもポイント高し!写真を一枚一枚じっくり眺めてみると楽しいよ。


この製作日記、本当に面白いってよ!



第5位 今日、恋をはじめます

今年一番パンフレット購入時にタイトルを言うのが恥ずかしかった映画が第5位です。清清しいほどのピンクなので、「映画面白かったからって、このパンフを帰りの電車で読むなんてやつなんて居ないだろう…」と思わせるほどの破壊力があります。とはいえ、そんな気恥ずかしい外観からはうって変わって、その内容は非常に充実しており、ボリュームの多いインタビュー、プロダクションノート以外にも、原作者と監督の対談があったり、映画の中で使われてる音楽を一曲一曲丁寧に解説してくれたりと、こりゃ電車の中で読むのもしょうがないよね!あと表紙のハートのくりぬきの部分も遊び心があっていいと思います!


こんな感じで不機嫌なミネソタ州出身のメイビーさん(30代)も若干ラブリーな感じに!


第4位 007 スカイフォール

シリーズ50周年の老舗スパイ映画のパンフレットが第4位です。映画本編も面白かったしそれに関する内容も十二分に豊富なんですが、やぱりシリーズ50周年ということでシリーズのまとめ的な内容が素晴らしいですよ。パンフレットの後半にある007シリーズの生み育てた創造者たちの解説ページを開くと、更に折り込み4ページ分の過去23作品内容を網羅したリストが載っていたり、その後の見開き2ページに渡って過去の舞台となった地を解説していたりと盛りだくさん。これには007シリーズが好きな私の親父も食い入るように鑑賞してましたよ(というか親父はスカイフォールを早く見に行った方がいいと思う…)。


007を生み育てた創造者たちのページが更に…



見開き4ページにもわたる007シリーズのリストになってるのですよ。



と言うわけで、4位まで発表してきましたが如何でしょうか。「デザインのかっこよさとか、要は折り込みページの有無なんじゃねーの?」と思った貴方、非常に鋭いですね。
さて、このままベスト3を紹介して言ってもいいのですが、ここで2012年映画パンフレットにおける私的に最も衝撃的だったニュースを紹介したいと思います。


「この白紙は、保護の為のものです」事件


えー映画のパンフレットを買わない人にとっては全く良くわからないかもしれませんが、上記の画像にある白紙がこの1年で最も衝撃的だった出来事です。私が「この白紙は、保護の為のものです」を初めてみたのは「ドラゴン・タトゥーの女」のパンフレットを購入した時ですね。この白紙を見た瞬間に、「パンフレットを保護する紙をつけるなんて、なんてパンフレット愛に溢れたパンフレットなんだ…」などという意味不明な供述をしてしまうほどに、いいアイデアだと思いましたね。そりゃ作る側は多分頑張って作ったパンフレットだし、買った側としても大好きな映画のパンフレットだから、保護したくなるのは至極当然な流れですよ。なので、この試みが2013年のパンフレット業界に波及していくことを望んで止みません(大げさ)。
さて、「ドラゴン・タトゥーの女」以外にもこの白紙が付いてる映画は2012年にありまして、その映画のパンフレットが今年の第3位でございます。


第3位 悪の経典

たまに単語の聞き違いをしちゃうお茶目な英語教師ハスミンと愉快な生徒たちが、文化祭前日の夜を校舎でドタバタ過ごす映画ですね。この映画をランキング3位としたのはやっぱり保護のための白紙の存在が大きい…わけではなく、単純にパンフレットの内容も素晴らしいからです。鑑賞する割合で言えば圧倒的に邦画よりも洋画派の私ですが、この「悪の経典」や第5位の「今日、恋をはじめます」なんかの充実っぷりから、「邦画のパンフレットって相当面白い!」と感じました。お前誰だ!っていうレベルの生徒もきっちり紹介がある、ハスミンの文化祭前日の行動をしっかりと図入りで解説、作中で何度も繰り返されたあの歌の歌詞も載ってる(これが私的に特にポイント高いです)と、こちらの知りたいこと、読んでて映画のシーンを呼び覚ましてくれるような内容が最高ですよ!


俺、皆のこと忘れないよ(このパンフ見てる間は…)



ハスミンによる生徒送り出しの全記録



何度も流れたあの歌の歌詞もしっかり載ってるのはポイント高し


この勢いのまま第2位の発表に…と行きたいところですが、ちょっとここで趣向を変えてこんなパンフレットもあったんだ部門を紹介したいと思います。パンフレットが存在しない映画たちも多い中で、これらのパンフレットは「えー、こんなパンフレットなの」って感情よりも、「このヴォリュームだけども、良くぞパンフレットをあきらめずに作ってくれてありがとう」という感謝を述べたい以下の3作品です。


とんでもないアクションシーンと、私の前でパンフレットを買おうとしてた女性が「えっ?ホントに300円なの?」と聞き返したのが印象に残ってるザ・レイド(8ページ)



序章も葉門もパンフレットはなかったけど、今回はあるぜ!(但し6ページだけどな!)「イップ・マン 誕生」



映画の紹介は1作品1枚で十分だ!実は各劇場のスタッフさんが丁寧に梱包してくれてます!「三大映画祭2012」


各作品ともパンフのボリュームは多くないですが、「まあ値段も安いから記念にね」と言う感じで購入しました。
さて、引き続き第2位の発表です。


第2位 アベンジャーズ


「日本よ、これが映画だ!」と各所でパロディとして使われたキャッチフレーズの映画のパンフレットが第2位です。いや、ホントこの映画のパンフレットに関しては、「日本よ、これが映画のパンフレットだ!」とキャッチフレーズをつけてもいいんじゃないかな。いや、いいでしょう!それぐらい内容が充実してます。各ヒーロー役の解説とインタビューが見開きであり、それだけでも全14ページの大ボリューム。その他にもコールソンさんやロキちゃん、はたまたマリア・ヒルまでインタビューされてるわけですよ。そしてそんな大ボリュームのインタビューに負けず劣らずの、過去作品の説明、映画のトリビア、原作コミックの解説などなど、日本公開までの3ヶ月の間にパンフレットとして詰め込むことができる情報をひたすらアッセンボーした、そんなパンフレットになっております。



コールソンさんのインタビューもしっかりあるよ!



アベンジャーズトリビアもアッセンボーされてるよ!


さて、残すところあと1作品となりました。そのまえにこっそりワースト1を発表し、その流れで2012年のパンフレット・オブ・ザ・イヤーを発表して、何事も無かったように新たな年を迎えることにしましょう。

第80位 ダークナイトライジン

ゴッサムシティのお金持ちが自警活動を頑張る映画のパンフレットが今年一番私的に残念な出来でした。このパンフレットとにかく内容のバランスが悪い!映画の解説やスタッフキャストのインタビューよりも、圧倒的にページが割かれてるのがいろんな人の書いてるコラム。もっと映画の舞台裏とかを教えて欲しかった派としては、ちょとうーんというバランスでしたね。特にある人がコラムでこの映画を評した一言、「ワインで言えばフルボディだ」は私的に今年のコラム迷言大賞を贈呈したいぐらい意味不明でした。(私はアルコール飲まないしな)


第1位 エクスペンダブルズ2

私が今年一番好きなパンフレットは、往年のアクションスター達が一同に会して大暴れする同窓会映画の続編でした。えーと、ワインは良くわからないので料理でこのパンフレットを例えると、「ちょっと見た目が怖い頑固親父のやってる焼肉屋で、腹いっぱいウマイ肉を食った感じ」ですね!(ドヤ顔)
前作「エクスペンダブルズ」のパンフレットでもその圧倒的なページ数と、それ以上に濃すぎる内容で、その年のパンフレット好事家達の話題を一手に引き受けた「エクスペンダブルズ」ですが、この「エクスペンダブルズ2」もその姿勢は全く変わらず、読んでるこちらが胸焼けするぐらいの非常に濃ゆーい内容になっております。そんな内容をいちいち解説すると、書いてるこちらも、読んでるそっちも、この年末に胸焼けを起こしてさわやかな新年を迎えられないはず!という訳で前作と本作の比較画像を乗せてさらりと〆たいと思います。


表紙のスタローンのでかさは今作ではちょっと控えめ



裏表紙の統一感!



主要キャストの登場作一覧は今回もありますよ!(字が細かくて読めない)



はい、という訳で今年一番役に立ちそうにない映画関係のランキングは如何でしたでしょうか。
2013年の映画パンフレットの購入はほどほどしたいなという決意で、2012年を終わらそうと思います。
皆さん良いお年を!
(…って肝心の映画ランキングを作ってない!)