俺と2013年下半期の映画

 さて、2013年も残り10日を切って、なにやら世間様は今年一年をふりかえる的なムードですね。まあ、私なんぞも自作の鑑賞作品リストを眺めながら、そろそろ今年のベストテンでも作らないとね…。なんて考えたりしちゃう訳ですが…。


「ちょっと待った!お前、何か大事な事忘れてないか!(心の声)」
「…ん?2013年最後の作品がもしかしたらその年のベストになるかもしれないから、それまで待っとけとかそういうことですかね?」
「いや、そうじゃない。むしろ年末帰省した実家のパソコンで、映画のベストテンを何時間もかけて書くのは親の目線が厳しいので、さっさと発表した方がいい!(心の声)」
「え?じゃあ、何なんですかね?」
「お前、去年も上半期の映画と通年の映画はまとめてたけど、下半期の映画はスルーしてたよな…。下半期の映画を軽んじてるんじゃねえぞ!(心の声)」
「いや、そういう気持ちは…。」


 という葛藤が私の中であったのか無かったのかは分かりませんが、イキナリ2013年映画のベストテンをドーンとかやる前に、ちょっと落ち着いて下半期映画のベストテンでもやって、きっちり下半期も振り返っておこうという訳です。


・劇場鑑賞作品数
 新作映画:89本
 その他映画:22本(旧作上映、地中海映画祭、ラテンビート映画祭など)
  計:112本

・劇場鑑賞回数
 新作映画:93回(「はじまりのみち」「あの頃、君を追いかけた」「わたしはロランス」「パシフィック・リム」を2回鑑賞)
 その他映画:23回(「野いちご」を2回鑑賞)
  計:116回

(2013/12/26時点)


 上半期よりは本数は減ってますが、相変わらず2日に1回以上のペースで劇場に足を運んでるとか、ちょっと頭がおかしいと言われてもしょうがないですね…。11月と12月は若干鑑賞ペースが落ちたりしたので、見逃した作品があったり、ラテンビート映画祭とか大阪ヨーロッパ映画祭とか去年は結構色々見た映画祭の作品が減ったりしましたが、まあ、別にこの世の中にある全ての映画を見るために日夜奔走してる訳でもないので、それはそれで良し!
 という訳でこの88本の新作映画の中から下半期の10本を勢いでドーンと発表しちゃいましょう!ドーン!

1. わたしはロランス
2. もらとりあむタマ子
3. 危険なプロット
4. ばしゃ馬さんとビッグマウス
5. サイドエフェクト
6. 四十九日のレシピ
7. エリジウム 
8. もう一人の息子
9. ハナ〜奇跡の47日間
10. メタリカ・スルー・ザ・ネバー

2位から10位までは、ランキングを考えてる間にも順位とか、他の作品も入れたいなとか色々悩んだけども、1位だけはこの作品で行こうと思って決まった感じでした。以下はそれぞれの作品へのちょっとしたコメント。



1. わたしはロランス


彼の存在は一見スペシャルかもしれないけれども、でも私と同じような普通の事に悩み、苦しみ、それでもやっぱり生きていく。そんな事を描いた素晴しい作品!


2.もらとりあむタマ子

タマ子を演じた前田敦子さんがたまらんかったですね。AKBとかには全然興味なかった私でも、2013年のベスト女優はあっちゃんを選びたいと思うよ!


3.危険なプロット

見てる途中もモチロン面白かったけども、見終わった後にあの二人(画像の男二人)の関係だったり、物語を書く事とそれを求める事だったりと、いろんなことが頭の中に浮かんできた(てる)作品。あとこの作品のラストシーンが凄く好きだな。


4.ばしゃ馬さんとビッグマウス

私も30過ぎて、もういい年(=おっさん)になってきたなと思うんだけど、年を取ればとるほどに、自分が特別な存在じゃないと気付いてるんだけど、でもそれに気付いたからといって、どうやって(とか何のために)生きていけばいいのかが分かる訳でもないんだよな。そんな事を考えちゃう映画だったな。


5.サイドエフェクト

ルーニー・マーラ視点で見てたらいつの間にかジュード・ロウ視点で見てた不思議。それに気付いた瞬間に脳から変な物質が出た!


6.四十九日のレシピ

この映画の食事シーンはどれも美味しそうだったけど、回想シーンの夏の豚まんがね、ホント今年の映画で見た料理の中でも群の抜いて美味しそうだったんですよね。だから、映画が終った帰りにコンビニで豚まん買って食べたんですよ。豚まん美味しかった!


7.エリジウム

何で面白いかをちゃんと言語化できないけど、見てるときに凄く興奮した!面白かった!!あんまり深く考えなくてもそれでいいのだ。


8.もう一人の息子

私は結構父と息子って関係の映画に(涙腺が)弱いんですが、この映画も不器用な親父たちが見せる葛藤の部分にグッと来たな。
私の親父とか(そして多分私自身も)もそうですが、自分が思ってる以上に自分の中の頑固のこうあるべき姿みたいな形(アイデンティティとかね)は、一見すると凄く硬くてちょっとした変化なんかは受け付けないように思えるんですよ。でも、中身がぎっしり詰まった銅像みたいに未来永劫全く変化しないものなんじゃなくて、表面は硬そうだけど卵の殻のようにちょっとした衝撃で全部崩れてしまうかもしれないし、実は私の知らないうちに中身の部分は変化しようとしてるのかもしれない。そんな事を思ったりしましたよ。


9.ハナ〜奇跡の47日間

それまで敵同士だった相手との共闘、スポーツの合間に生まれる恋や友情、殻を破る瞬間、心のそこから憎らしいけど圧倒的な強さを誇る敵役などなど、ホント王道過ぎる展開だけどもそれが凄く良かった!
韓国映画だけど、ちょっと昔の日本みたいな細部(缶ジュースが細長いとか)にもこだわってたり、変なTシャツ着てる奴が居たりと、細かい部分も印象的でしたよ。


10.メタリカ・スルー・ザ・ネバー

「Orion」を演奏してくれたあのエンドロールが、私の今年のベスト・エンドロール!


 とまあ2013年の下半期はこんな感じでしたね。まだまだ良かった作品たちは一杯あるけど、アレやコレやと考え出せば収拾がつかなくなるので、考えるのは止めよう…。



 で、ちょっとだけ新作以外の映画の話。映画祭で見たのはラテンビート映画祭の「マジック・マジック」と地中海映画祭の「クスクス粒の秘密」(コレは凄く良かったな)だけという感じですが、邦画のリバイバル上映をやってくれる劇場に夏ごろは結構足繁く通って、「仁義なき戦い」とか「台風クラブ」とか「家族ゲーム」とか「秋刀魚の味」等など、名作・怪作と呼ばれるような作品をスクリーンで見れて良かったですね。
 あと、上半期で触れたベルイマン特集にも行って来て、特に「野いちご」が印象的だったり、初日特典のビスケット(スウェーデン王室御用達)を3箱もらったりしました(もちろんビスケット目当てじゃないよ!)。


「クスクス粒の秘密」は後半この写真の女の子が延々とベリーダンス踊ってるのが凄いインパクトだった!



 とまあこんな感じで下半期の映画も振り返ったし、めんどくさいしから今年1年は振り返えらなくてもいい気がするな(多分するけど…)。