俺と2013年の映画

 上半期と下半期のベストテンも発表したし、今年は映画のことなんて考えずにゆっくりした年末を過ごすか…。なんて事を思ってましたが、実家に帰るとやることもないし、結局映画に関する記事を書き始める始末…。今も親が訝しい視線で見てくるのを背中に感じながら、今年見た映画の数でも数えてみましょう。

・劇場鑑賞作品数
 新作映画:216本(昨年と同じ)
 その他映画:62本(昨年+13本)
  計:278本

・劇場鑑賞回数
 新作映画:223回(昨年−9回)
 その他映画:63回(昨年+13回)
  計:286回

 個人的には昨年よりもかなり多い頻度で映画館に行ってる印象があったのですが、終わってみれば意外に変わらなかったな…。鑑賞作品数が同じなのに回数が微減してるのは、今年は去年の「桐島〜」みたいに馬鹿みたいな回数何回も劇場に通うことが無かったのもありますね。もちろん、だからと言って去年の方が面白い映画が多かったなんて事もないのですけどね。


 さて、去年はここでしれっとベストテンだけを発表してたのですが、今年は上半期も下半期もきっちり振り返ったし、ちょっと趣向を変えて色んな部門を発表してみましょう!まずは、映画館部門から、


・一番よく通った映画館

 映画鑑賞回数286回のうち最も映画を見た回数が多い映画館は「シネ・リーブル梅田」53回でした。
 今年は何といっても未体験ゾーンの映画たちが開催されたことが大きくて、この特集上映に17回も通ってたという…。他にも、渋谷ミッドナイト・マッドネスやゾンビ・オリンピックなんて地雷映画魅惑の映画たちの特集上映もあり、足しげく通っては帰り道は伏目がちになってた気がしないでもありません。
 モチロンそんな地雷映画以外にも、「ロンドン・ゾンビ紀行」や「人生、ブラボー!」「ある海辺の詩人〜小さなヴェニスで」「愛、アムール」「ウィ・アンド・アイ」「ヒステリア」などなど、他にもまだまだいっぱいあるのでここら辺にしときましょう。こんな感じで、また来年も私はこの映画館にお世話になるでしょうね(ただし未体験ゾーンは除く)。

 次点は梅田ガーデンシネマ43回。年の瀬に来年二月末で閉館なんていう寂しいニュースもありましたが、最後の日まで来年もしっかり通いたいですね。


・一番遠くまで行った映画館

 「アウトロー」をユナイテッドシネマ・キャナルシティ13を見たのが、今年最も遠いところで見た映画となりました。普段は主に関西圏の映画館に出没している私ですが、この時はたまたま出張&でもその日の作業がなくなるという事態が重なり、「しょうがないから、ホテルのチェックインまで時間をつぶすか。」とやむを得ず見に行ったわけですよ。決してさぼりとかそんなんじゃないからね!
 シネコンだったけど、椅子が壊れてて使用できない席があったりして、「どんなアウトローがこの席を使ったのか…」と思ったりした事が、映画の内容以上に記憶に残ってたりしますね。

 なお、あれほど行く行くと言っていた宇都宮ヒカリ座には、2回も劇場前に行きながらも結局映画を見なかったことを、ここに深くお詫びしておきます。来年こそは…行く行く詐欺にならないよう…きっ、気を付けます…。


 さて、映画館部門に続いては映画体験部門の発表ですよ。なんだか畏まった感じの部門名ですが、要は映画見てたらこんな事あったよって事をいくつか紹介してるだけです。


・俺の上映回

 「箱入り息子の恋」を某映画館で鑑賞した時に、まさかのその時が訪れてしまいました。予告編が始まっても一人、本編が始まっても一人、エンドロールでも一人のまさかの「俺のためだけの上映回」でした。もう一人しかいないんだったら、家で映画見るみたいに寝っ転がってみるも良し、マサラ上映みたいに途中で踊り始めるのも良し、独り言を大声で延々とし続けるのも良し、いきなり牛丼を食べ始めるのも良し、とまさにやりたい放題な夢の空間が実現可能な環境でしたが、いつも通りに静かに座って鑑賞してた私でした(たとえ一人だけでもマナ-を守って楽しく鑑賞しましょう)。


・衝撃的な観客

 まあ、これだけ映画見てたらそりゃ色んな人に映画館で遭遇するわけで、それこそ上映中に俺の斜め後ろで延々と解説をしてくれるおっさんだったり、上映中テンションが上がりすぎると持ってるビニール袋をガサッっと鳴らし始めるおばさんだったり、宇宙の静寂を切り裂くポップコーンだったりと実に多種多様の人種、状況があるわけです。
 その中でも衝撃的だったのは、「後ろの席から椅子の合間を通して、俺の肘掛けに足を乗っけてきたおっさん」この人ですね。はじめは後ろの席から俺の席を蹴ってくるだけだったのが、気付いたら何か靴らしい物体が肘掛けに乗っておるのですよ。流石に普段は温厚でやさしいキャラで売っていきたいと思っている私も、流石にこれはチョットと思って思いっきりひっぱたいてやって足は引っ込んだのですが、上映終了後に注意したらすっとぼけられる始末…。
 見てる映画がMMA的な映画だったので、私が映画の影響を受けてアキレス腱固めを極めにかかる、いきなり殴りかかる!なんて可能性ももしかするとあったのですが、私に格闘技の知識がなくてよかった!まあ、そんなことはさておき、みんなも最低限のマナーを守って映画を見ようぜ!というお話でした。


・一番雰囲気が良かった

 思い出して胸糞悪くなるようなお話で今年を締めくくるのもアレなので、最後に映画も面白かったけど、見てる雰囲気が今年一番いい感じで楽しかったなと感じた映画を一本紹介しましょう。
 普段は寧ろ静かで落ち着いた環境で映画が見たい派なので、「俺の上映会」的状況でも全然ウェルカムな私ですが、それなら極論言えば、家でホームシアターでもぶっ立てて見てろって話になっちゃうわけです(まあ、そんな環境を整えれるほどリッチじゃないけど)。でも、劇場でサラリーマンのおっさんが「そして父になる」のラストに感極まって鼻をすすってたり、「サイレント・ハウス」みたいなホラー映画で隣の人が同じシーンでビクッってなったり、「もらとりあむタマ子」のタマ子の決め台詞にみんながクスクス笑ったりしてるのを体験すると、映画館に来て良かったなと思うわけですよ。
 で、今年一番そんないい雰囲気で見れたなと思ったのはシネ・リーブル梅田での「恋の渦」の初回上映でした。大根仁監督が上映終了後に舞台挨拶をしてくれるという事もあり、劇場内は満席。映画もゲスな男女たちのゲスな恋模様を描いた大変ゲスな映画なんですが、見てる我々もそんなゲスな奴らを見ながら、ゲスな笑いを連発していたのでゲス。上映終了後の舞台挨拶でも、「大阪の人は僕が笑ってほしいと思うところで笑ってくれて嬉しかった」なんて発言もあり、舞台挨拶も含めて今年一番良い雰囲気で見れた映画でしたね。


 お次は良かったアカデミー賞的なノリで2013年のに良かったなと思う役者さんの発表ですよ!


2013ベスト女優

 もらとりあむタマ子」で主演のタマ子を演じた前田敦子さん、おめでとう!
 タマ子があっちゃんなのか、それともあっちゃんがタマ子なのかと悩まずにはいられないほどに凄くハマり役でした。AKBとか全く詳しくない私に、「あっちゃんって実はプライベートはあんな感じだから…」なんて情報を吹きこまれたら、デスメタルのライブで最前列に陣取ってヘッドバンギングしてる人ばりに強く頷くことでしょう(いや、誰しもタマ子的な部分はあると思うんですよ)。


ステイサム・オブ・ザ・イヤー2013

 ジェイソン・ステイサムの映画が公開されたら見に行くのは当然の義務だろ!と思ってる私にとって、主演男優賞をあげるとしたら毎年ステイサムになってしまう訳で、いっその事その年一番のステイサムを決めたらいいんや!といった発想から生まれた賞です。


 という訳で、今年最も私が好きなステイサムは「パーカーでヅラをかぶってたステイサム」です。なんせ、ステイサム・オブ・ザ・イヤーとか言ってる奴が、はじめは全くステイサムだって気づいてなかったからね。もう大したもんですよ!(俺の目が節穴ともいう…)
 なお、次点は「ワイルド・スピード euro mission」の全てをかっさらっていったステイサムです。おめでとう、ステイサム!ありがとう、ステイサム!来年もよろしくお願いします。


 さて、残りは2013年の映画で私の印象に残った作品の紹介です。


2013年に最もファッ!?ってなった映画

ワーストっていうとちょっとニュアンスが違うけど、面白いか面白くないかっていうと面白くはない映画だとは思うんですが、ファッ!?ってなるような変な印象に残る映画で、なぜかこの映画「ビューティフル・ウェーブ」について色々語ったりしたのでした。
 この「ビューティフル・ウェーブ」、あらすじを簡潔に言うと、過去のトラウマで海で泳げなくなった少女が、自分の祖父(ベトナム戦争に出征した後、音信不通に…)の残した「ビューティフル・ウェーブ」という場所を示した地図をもとに、そこへ向かう旅をするロードムービーなんですよね。タイトルだったりあらすじから受けた印象だとサーフィン映画だと思うじゃないですか、モチロンサーフィンする場面も出てきますが、実はこの映画のクライマックスはそうじゃないんですよね…。ネタバレして申し訳ないですが、個人的なこの映画のクライマックスだと思ったのは、実は生きてたおじいちゃんがカメの密猟者と銃撃戦を始めるシーンですよ!
 え!?ビューティフル・ウェーブどこ行ったよ!実は生きてたおじいちゃんと出会うシチュエーションが銃撃戦ってなんだよ!!というか、ここにたどり着く前にもう既に海でサーフィンしてるし!!!ファッ!?
 とまあ、こんな気持ちになる映画でした。時間とお金と心に余裕のある方は一度ご鑑賞してみるは如何でしょうか(全くおススメしませんが…)。


 さて、この勢いで今年の映画のベストテンの発表…の前に、趣向を変えた内容を発表しましょう!


(俺の)オカンと2013年の映画

1.舟を編む
 短評:一生懸命辞書を作ってたのが良かった。

2.奇跡のリンゴ
 短評:何回も失敗したけど最後にリンゴが作れてよかった。

 去年は「ヘルプ」と「桐島〜」の二本だったので、今年こそはもう少し見てもらおうと思ったのに、結局今年も二本だけでした。来年はこそは二本以上みてもらえるよう努力したいですね…。なお、DVDも何本かおススメを渡したりもしていますが、「アンタの薦める映画は良く分からん!」と言われるので、来年こそは「アンタのおススメ映画面白かった」と言われるようになりたいですね!


 長々と振り返ってきましたが、最後に今年見た新旧映画祭関係なしの全286本の映画の中から、俺のベストテンを発表して2013年を締めくくりたい思います。

1.「来る日も来る日も」原題「Tutti i santi giorni」 イタリア映画祭2013にて鑑賞


主人公たちの境遇とかは全く違うけど、今年の自分にとって最も”俺”の映画。この映画を見るたびに今年の俺を思い出すんじゃないだろうか…。


2.「わたしはロランス」


今年一番ガツーンときた映画。私より年下の監督がこんな凄い映画作ってるなんて…と思うほどの強烈なセンス!


3.「パラノーマン ブライス・ホローの謎」


今年一番のゾンビ(が出てくる)映画。ノーマンやニールや姉ちゃんの優しさが胸に沁みたな。


4.「はじまりのみち」


今年一番映画や映画の感想書くことを考えた映画。そういう事の原動力は皆同じなのかもしれないな。


5.「横道世之介


今年一番ふとした時に思い出す映画。私もこの映画のように、何気ないことを思い出してニヤニヤできる人生を送れたらいいな。


6.「ウィ・アンド・アイ」


今年一番良い感想を書けたと自分で思う映画。自分のことを分かろうとしてくれる誰かがいるって良いよね。


7.「建築学概論」


今年一番胸キュンした映画。初恋ってなんか特別だよね。


8.「嘆きのピエタ


今年一番どんよりした映画。でも、何度も思い出すほどに後に引くほど印象的。


9.「毒戦」 大阪アジアン映画祭2013にて鑑賞


理由:今年一番目を見開いた銃撃戦の映画。スン・ホンレイの演技も強烈!


10.「もらとりあむタマ子


理由:今年一番あっちゃんが良かった映画。そろそろ俺もカレンダーを変えるか!


 とまあ、こんな感じの2013年でした。では、皆さん良いお年を!



そういえば、今年も大量に購入したこれ(パンフレット)を振り返るのを忘れてた!(わざとらしい)