俺と「音楽映画ベストテン」

 id:washburn1975さんの今年の企画は「音楽映画ベストテン」。これは是が非でも参加せざるを得ない。ということでボンクラメタラーだった私が選ぶ、メタル成分が多い音楽映画ベストテンです。

1. ロック・オブ・エイジズ(2012年 アダム・シャンクマン監督)
2. ブルース・ブラザーズ(1980年 ジョン・ランディス監督)
3. アンヴィル 夢を諦めきれない男たち(2009年 サーシャ・カヴァシ監督)
4. ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2001年 ジョン・キャメロン・ミッチェル監督)
5. 君が生きた証(2014年 ウィリアム・H・メイシー監督)
6. ジャージー・ボーイズ(2014年 クリント・イーストウッド監督)
7. スクール・オブ・ロック(2003年 リチャード・リンクレイター監督)
8. ペルシャ猫を誰も知らない(2009年 バフマン・ゴバディ監督)
9. ロック・スター(2001年 スティーヴン・ヘレク監督)
10. メタル ヘッドバンガーズ・ジャーニー(2005年 サム・ダン監督)

以下、最高を連呼するだけのざっくりした短評です。

ロック・オブ・エイジズ」は文句なしの1位。100回生まれ変わったら100回音楽映画の1位に選出したいほどの作品。ジャーニー好きの私としましては、主要キャストがみんな集まって「Don't Stop Believing」を歌うラストシーンだけでも100点満点で3億点はつけざるを得ないし、モチロン、その他のシーンも全て最高!

ブルース・ブラザーズ」はボンクラメタラーだった私でもこの2位に選ばざるを得ない、パワーにあふれる演奏がてんこ盛りのすばらしい音楽映画。教会で神の啓示を受けたかの如く熱唱するJB、夫に一言物申して熱唱するアレサ・フランクリン、前座のはずなのに会場を暖めすぎてしまうキャブ・キャロウェイ、もちろん主役のブルース・ブラザーズも文句なし。最高!

まさか、売れないメタルバンドのおっさん二人の生き様に涙させられる日が来るとは…そんな「アンヴィル 夢を諦めきれない男たち」が3位です。不器用だけど大好きな音楽を続けたい、そんなおっさん二人に待つラストの奇跡。自分たちの愛してる音楽を一緒に愛してくれる人たちって最高だな!

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」は数年間に前情報なしで見に行ってKOされてしまった作品。世間のはみ出しものとして音楽に、そして愛に生きる彼女の魂を込めた音楽と生き様は文句なしに最高にロック!

「君が生きた証」は、今までの作品は「ロックを愛する人は良い人」みたいな感じのポジティブなパワーにあふれる作品でしたが、この作品は「音楽はあくまでも音楽でしかない。そこに何を見出すのかは、その人次第」なんて、ちょっと突き放した視点にも見えるような作品です。でも、だからこそ音楽とは何なのかを考えてしまうのが素晴らしい。

ジャージー・ボーイズ」はエンタメ業界の奇跡のような瞬間、そのメンバーが揃った瞬間に魔法のような音楽が生まれる、そんなひと時を切り取ったすばらしい作品。あとエンドロールも最高!

スクール・オブ・ロック」は私の一番好きなジャック・ブラックは文句なしにこの作品。ロック・オブ・エイジズが80年代中期以降がメインにした作品となってますが、こっちはそれよりもちょっと前の60年代後半から70年代中心の音楽が取り扱われてて、無論こっちの年代も大好き。特に、ジャック・ブラックが子供たちに教材としてオススメCDを渡す場面は、そのアルバムを選んだ理由も含めて最高!

ペルシャ猫を誰も知らない」はイランのインディロックシーンを描いたバフマン・ゴバディ監督作品。イランでは文字通り地下で活動している(=公で演奏すると逮捕されてしまう)若者たちが、それでも自分たちの愛する音楽を演奏する姿がとても印象的。あと、個人的には「アイツらが牛小屋で練習するから牛の乳の出が悪くなっちまった!」というイランのメタルバンドが白い目で見られているエピソードが最高!

「ロック・スター」は当時、ジューダス・プリーストの新ボーカリストとして加入した、ティム・”リッパー”・オーウェンズの自伝をベースにした、メタル映画。ただし、ロック・オブ・エイジズがジャンルに対して愛情たっぷりな内容に対して、こっちは冷めた目線(ロックスターなんてこんな感じでしょ)みたいな描写が多く、普通の映画として見るとちょっと微妙。ただ、それでも主人公マーク・ウォールバーグの吹き替えを努めたマイク・マティアビッチの歌唱が素晴らしすぎるので、音楽映画としては最高!

人類学者であり本作の監督でもあるサム・ダンが、「なぜメタルは嫌われるのか?」を解き明かすために、さまざまなメタル関係者にインタビューしたドキュメンタリー映画がこの「メタル ヘッドバンガーズ・ジャーニー」ですよ!彼自身が一人のメタラーなので、その取り扱っている内容がメタル好きなら”あるある”と頷きすぎてヘッドバンギングしかねないくらいの作品で本当に最高!


 はい、本当は私が映画で見た中でも一番の音楽関連の名台詞だと思う「俺にとって我慢ならないのは、ジェスロ・タルってバンドを誰も知らないことだ!」という台詞を、スティーブ・ブシェミが言い放つ「アルマゲドン」を入れたかったところですが、今回は断腸の思いで選外にしました。その他、「アマデウス」や「ストリート・オブ・ファイヤー」なんて名作や、個人的には音楽映画の側面もあると思ってる「レスラー」、あと「あの日のように抱きしめて」などの今年見た作品も入れたかったのですが、これらも今回は泣く泣く選外に。
 でも、こればっかりは私がメタルが好きだからしょうがないね!