俺と「2016年1月の映画 その2」

 やー、年度末になると色々仕事だったり仕事以外のことだったりでどたばたして、書きかけの1月に見た映画のことをまとめるのもままならない始末。ともあれ、年度が替わるまでにはなんとか無かったことにならないよう、1月に見た面白い映画のことをさっくり書きましょう。


「Comet-コメット-」

 まず、皆さんに知ってほしいということは、この映画のヒロインであるエミー・ロッサムが可愛いどころではない騒ぎの超可愛さだということである。そりゃ、主役のジャスティン・ロングも(もちろん俺も)一目ぼれするわけだよ! というわけで、超可愛い女の子に一目ぼれしてなんとかして付き合って…と、ざっくり言うと「(500)日のサマー」みたいな作品です。ただ、ジャスティン・ロングはJGLよりもちょっとイヤなヤツです。そんなちょっとイヤなヤツが、大好きでたまらない女性のこと大事に思いつつも、色々めんどくさいことを言ったり、プライドが邪魔したり、その結果ケンカしたりする映画です。もうね、お前は俺か!!
 そんな自分の恋愛観をビシビシ抉ってくる映画でしたが、「(500)日のサマー」が大好きな私は当然この映画も大好きな訳で、早くソフト出てくんねーかなー、と思いながら日々すごしてます。


「あの頃エッフェル塔の下で」

 さて、私が勝手におフランス映画がらしいと感じるポイントが3つあります。まず、登場人物が美男美女、次にそんな二人が意外とスパッと脱ぐ、そして、登場人物たちはところ構わずタバコスパスパ吸うこと。もちろん、この映画もそんな三つのポイントを抑えたおフランス映画でした。
 十代後半から20代前半に欠けての主人公とヒロインの遠距離恋愛が主な映画のテーマなんですが、この映画もヒロインのルー・ロワ=ルコリネちゃん演じるエステルが可愛いです。こっちは、ちょっとツンとした感じとかが、高嶺の花って感じで良いのです。ただ、こちらの共感というか痛いところをグサグサえぐってきた「コメット」と違って、自分勝手な主人公と高飛車なヒロインという全然共感できないカップルなのに、何故か彼らの関係の行く末、関係の変化が気になってしまうのも、なんというかおフランス映画らしいなと思ったのでした。
 あと、この作品も性を媒介にした関係性が非常にオープンというか、いかにもという感じで印象的ですが、昨今の芸能ゴシップの例にも漏れず、日本人がやっちゃうと倫理的にアウトだと糾弾されると思いますね!


「メニルモンタン 2つの秋と3つの冬」

 この映画も相変わらず、あの外見なのになぜかキャラを演じることが多いモテるヴァンサン・マケーニュが、ご多分に漏れず今回もモテるキャラを演じていて、その彼女とイチャイチャしたり、喧嘩したりする映画です。もちろん、ヴァンサン・マケーニュ大好き人間の私にとってはそれだけで100点以上は固い作品でした。 というか、ヴァンサン・マケーニュでてるんだから、それだけで特に解説しなくても良いんじゃないかと思います!
 そんなヴァンサン・マケーニュ演じる主人公が、33歳になったときにランニングを始めることから映画は始まるのですが、 ちょっと前に俺も33歳になったばっかりだし、早く週に二回近くの公園をランニングしないと!



ヘリオス 赤い諜報戦」

 犯罪集団ヘリオスに韓国政府が極秘開発してた小型の核兵器DC-8が盗まれてしまい、ヘリオスが香港でDC-8の取引をするという情報を入手した、香港警察、中国公安、韓国政府が入り乱れて…というお話ですが、とにかく細かいことには突っ込んじゃダメ。とにかくこの映画の世界観に身を任すのです。
 私は映画を見るときは先の展開を予想しながら見ちゃうときが多いのですが、この映画はこっちの「多分こう来るな…」っていう展開になったり、ならなかったりしますが、そんな私が「もう予想するのに疲れた…」と言いたくなるほどの矢継早すぎる展開。徐々に頭の中に浮かんでくる「どうやって風呂敷を畳むんだろうと…」という疑問。そして、上映が終わった瞬間に「えっ?えっ?」と周りの人の様子を伺いたくなるようなラストのオチ。そういう部分も含めてとても香港映画らしくて印象的な作品でした。
 


「最愛の子」

ある日、突然わが子を失うことになった親子のわが子を探し求める困難な様子を描く作品ですが、それ以上に今の中国が抱える様々な問題が浮かび上がってくる作品でもありました。
例えば、主人公である母親のジュアンは大都会深センに住み、アウディに乗るキャリアウーマンで、日本人から見てもかなりの裕福な様子がうかがえる一方で、同じ大都市にありながらも日銭を稼ぐために日夜働く出稼ぎの労働者などの、中国が抱えている圧倒的な格差の対比。また、驚くべきは主人公たちと同じような悲劇が数多く存在しており、劇中では主人公の家族以外にも様々なわが子を失った家族がお互いを慰めながらも、小さな希望にすがりつくように生きている様子胸が痛くなるやるせなさでした。
ただ、この映画そういう悲劇性、社会描写以上に心に残ったのは、ラストシーンに監督から投げかけられているある問いかけでした。普通の映画は幕が下りるとおもにその作品の世界は閉じられるのですが、この作品については、幕が下りたその後を各々が考えるそんな作品でしたね。