俺と「2019年の映画」

映画を劇場でよく見るようになってから丸十年を迎える今年。今年も映画ばっかり見てる生活を送ったりしてましたが、そんな2019年の映画まとめです。


・劇場鑑賞作品数
 新作映画:190本(2018年174本)
 その他映画:25本(2018年23本)
 計:215本(2018年197本)

 

・劇場鑑賞回数
 新作映画:193回(2018年174回)
 その他映画:25回(2018年23回)
 計:218回(2018年197回)

去年から比べると1割増、年間200本の大台を超えることとなった鑑賞本数でしたが、去年の年末に発行したTOHOフリーパスで1月映画を見て、それから約10か月後の11月に再びTOHOフリーパスを発行するという離れ業をやってしまったせいで、近年の中でもかなり鑑賞本数の多い年となりました。ちなみにこんなに鑑賞本数がありながら、1本当たりの単価は映画祭り等の作品鑑賞も含めて一本900円強と、TOHOフリーパス2度発動させた力をまざまざと感じさせる結果でした。

一方で、ここ数年まとめてない映画のパンフレットの方はさらに購入数を減らしており、今年は遂に30冊を切る程度になったりしてました。

さて、今年は上半期も下半期もしっかり良かった作品を10作品選んでるし、ちょっと違った視点から印象に残った作品を紹介をしてみようかと思います。

 


「ワイルド・ストーム」

今や超人気シリーズに成長したワイルド・スピードシリーズの初代監督であるロブ・コーエンが超巨大台風が迫る中で起きる強盗劇を描いた作品なので、ワイルド・ストームという安直なことこの上ない邦題ですが、映画の方もそんな邦題で予想できる内容100%といった感じの安直安心感のある出来で、今年最初にグッと来た映画でした。シリーズのスピンオフ「ワイルド・スピードスーパーコンボ」が公開された年でもありましたが、豪華キャストが出てるわけでもなく、予算や映画としてのスケールも比べるまでもない本作の方が個人的にはグッときました。

f:id:rino5150:20191230173516j:plain

 

「カラテキックだ!」

命綱なしでスカイツリーよりも高い断崖絶壁の一枚岩を登っていく男の無謀ともいえる挑戦を追ったドキュメンタリー「フリーソロ」が公開されましたが、一方で有毒ガスが迫ってくるビルに取り残された家族を脱出させるために、一人でビルの外壁を登っていく男を描いた韓国映画「EXIT」も公開されました。片方はノンフィクションで命綱なし、もう一方はエンタメ度の高いいつもの韓国映画という感じで、映画の方向性は全然違うのですが、先に見た「フリーソロ」の難所で「カラテキック」と呼ばれる位置があり、「EXIT」でも似たようなシーンが出たときに思わず「カラテキックだ!」と心の中で叫んでしまう奇妙な類似性がありましたね。

f:id:rino5150:20191230181135j:plain


「二人の教師」

問題児の多いクラスに教師が赴任してくる…という似た感じの設定ながら、受ける印象は全く異なる映画を今年は二本鑑賞しました。一人は香港で教師経験もないが教師として自らを学校に売り込んだ男が主人公の「スーパーティーチャー 熱血格闘」。もう一人はパリのエリート校に国語教師として勤めながら、あるきっかけから本人の意思に反して問題校に赴任することになった男が主人公の「12か月の未来図」。

前者は宇宙最強という愛称でお馴染みのアクションスタードニー・イェンがアクションを抑えた形で熱血教師を演じる作品で、香港映画らしいちょっと強引なストーリー展開はご愛敬。アクションあり、ベタなドラマあり、コメディありの作品になっていました。後者は上記の映画のドニーさんとは180°キャラが違うおフランスのインテリ系教師で、様々な人種が集う問題児ばかりの学校に始めは今まで学校との差に戸惑いながらも、学校の空気としてあった”しょうがない”という雰囲気に、彼なりに抗っていくのがとても印象的な作品でした。

教師のキャラクターや内容は異なる2作品ながら、どちらも教師と生徒の絆をしっかりと感じさせるラストで〆た佳作です。

f:id:rino5150:20191231191627j:plain

 


「怖い to 面白い」

ひと昔は好きな映画といえばホラー映画だった私ですが、近年は年に数本見るか見ないかという感じで、「怖さ」に以前ほど興味が出なくなってきたなと。そんな中で印象に残った作品が「シャイニング」の続編の「ドクター・スリープ」と、フランスの奇才パスカル・ロジェの最新作「ゴーストランドの惨劇」です。

どちらも前半はホラー映画としてみると「むむむ…」という感じなのですが、後半その「むむむ…」感が「なるほど!面白い!!」に変わっていく瞬間がある作品で、後になればなるほど映画の中での展開の畳みかけがとても気持ちよくなる作品でしたね。

上記二作と似たような感じ、ジャンル映画っぽい展開ながらドンドンぶっ飛んだ感じに変貌していく内容の作品としては「アンダー・ユア・ベッド」なんかんも同じ分類に入る感じで、こちらは清涼感のある青年という横道世之介感が非常に強かった高良健吾がそのイメージを全く覆すキャラクターを演じた点でもとても良かった作品でした。

f:id:rino5150:20191231195657j:plain


「リアルすぎる緊張感」

ウトヤ島 7月22日」「ホテル・ムンバイ」どちらも実際に起きたテロ事件を題材とした作品です。

前者は犯人の顔すら見えない作品でまさにその島にいた被害者の彼女と同じ体験をしてるような、全身がヒリつくような緊張感が持続し続ける作品で、いつこの事件が終わるのか、早く終わってくれと祈るような気持ちになる作品でした。

後者も同じような緊張感が続く作品ではあるけども、ホテルマンたちのプロフェッショナルな姿とテロリストの少年たちの驚く様な幼さの対比がとても印象的な作品でした。また、カッコいいヒーローといったイメージのあるアーミー・ハマーですが、本作ではそういうイメージを覆すようなシーンもあり、高良健吾と同じくこういう役柄を演じる彼に対する印象が変わった作品でもありました。

f:id:rino5150:20191231204933j:plain

 

「入れ替わってる!」

緊張感のある映画ももちろん好きなんですが、心の底から楽しいと思える映画ももちろん好きで、特に今年は韓国映画の「僕の中のあいつ」がとても良かったです。

ヤクザといじめられっ子の高校生が入れ替わっているという設定の映画で、役者陣の好演と韓国映画らしいウェットな描写が映画の内容にとてもハマっていて、全く期待してなかったノーマークな作品ながら非常に良かった作品でした。特に、「新しい世界」以来、ヤクザの親分的というイメージが強いパク・ソンウンに上手くこのキャラをあてたキャスティングの良さも光る作品でした。

f:id:rino5150:20191231215610j:plain


ということで、上半期と下半期のベスト10では惜しくも選外となったけど、個人的に印象に残った作品を上げてみました。あとは、2019年に劇場新作映画として公開された作品のベストテンを紹介して2019年を終わりたいと思います。なお、例年通りランキングは今日の勢いで選んだので明日には変わってるかもというランキングです。

 

  1. 愛と銃弾
  2. COLD WAR あの歌、2つの心
  3. 殺さない彼と死なない彼女
  4. サスペリア
  5. ボーダー 二つの世界
  6. 女王陛下のお気に入り
  7. バジュランギおじさんと、小さな迷子
  8. 工作 黒金星と呼ばれた男
  9. ブラインドスポッティング
  10. 幸福なラザロ

 

では、2020年もこんな感じで映画を見てたら、2020年でまたお会いしましょう!