俺と「ブルーバレンタイン」

映画の日梅田ブルク7ブルーバレンタイン鑑賞。


あまりに残酷でかつ考えさせられる映画…。
ディーン(ライアン・ゴズリング)とシンディ(ミシェル・ウィリアムズ)という一組の夫婦の最後の一日を、幸せだった頃(出会いから結婚まで)のフラッシュバックと共に描く一本…。


映画が終わってからずっと、「ディーンはどうすればよかったのか?」を考えていたのですが、どう考えても「そもそもの結婚自体が誤りだった」という風にしか思えなくなって、余計に見終わった後の重苦しさを増幅させてくれます…。
確かに、ディーンは性格的には子供で、向上心もなく、真昼間から酒に溺れるダメ男だと思います。そういった部分での不満が積み重なっていって、彼女は彼との決別を徐々に決意していくことになったのでしょう。更に言えば、彼に何度もそのこと(お互いの価値観の乖離)について話し合おうとしているのに、彼自身が真剣に向き合おうとしなかったことも大きな要因だったのではないかと思います。シンディの父親の「また喧嘩か」の台詞がそれを象徴している…。
一方で、ディーンの不器用ながらもシンディと娘フランキー(フェイス・ワディッカ )に一途な愛情を注ぎ続けるその姿を見てしまうと、こいつのことを嫌いになれなんだ…。更に、幸せだった頃の彼の人柄の良さ(孤独な老人に見せた優しさ)がフラッシュバックされるだけに余計につらい…。
ただ、当然ながら私の思う以上にシンディ自身もディーンの素晴らしさを理解しているはずで、それでも決別という結論を導き出してしまう彼女の思いも、また痛々しい…。


そんな思考をあれこれ繰り返した上で私が導き出してしまうのが上の、「この結婚そのものが誤りだった」という結論なのです…。
残酷すぎる、まさに悲劇…。



そんな残酷な映画ですが、重苦しいストーリーの他にも主演二人の演技、特にミシェル・ウィリアムズの演技の素晴らしさは必見。
とりあえず、みんなでこの映画を見て悶々しようぜ!!