俺と「メタルヘッド」

シネマート心斎橋メタルヘッド見てきたぜ。


〜俺とへヴィメタル〜

今から十年以上前、とある地方の高校生だった私はヘヴィメタルという音楽ジャンルを愛して止まない学生生活を送っていました。当然へヴィメタル専門誌である「BURRN!(以下バーン)」の発売日(田舎だったので3日遅れ)になれば書店へ走ってバーンを購入して、翌月号が出るまで何度も隅から隅まで読み返し、高校でメタル者の友人であるN君と「今月のレビューだと○○と○○の新譜が評価高いな、これは買うしかない」とか、「やっぱりイングウェイのインタビューは面白い」などのバーントークを繰り広げたり、「ヘヴィメタルシンジケート」というへヴィメタルの新譜が流れるラジオ番組を毎週欠かさず聴きながら、「先週のあの曲すごかったな、これは新譜買うしかねえ」と、数少ない情報を基に毎月なけなしの小遣いを叩きながらCDアルバムを購入していたのでした…。
そんななけなしの小遣いを叩いて買ったアルバムが素晴らしい出来なら、全力でガッツポーズ(余談だがへヴィメタルの一部ジャンルにおいては、その音楽性の評価基準としてガッツポーズが採用されている。)をしたり、期待はずれな内容でも「寧ろこれは聞き込みを要するアルバムなので何度も繰り返して聞けば、きっと良さが分かってくるはず!」と自分に言い聞かせながら何度も繰り返してアルバムを聞き込んでいました。
そして時にはN君とアルバムやバンドの評価を巡って激論?を交わしたりもしていました…。

そんな青春時代を送ってしまった私にとって、(500)日のサマーのジョセフ・ゴードン・レヴィットがメタル野郎を演じているというだけで、この作品をを見に行く理由になる訳ですよ。


HESHER OFFICIAL TRAILER

(やはりバッテリーは最高のメタルアンセムだ!!)


で、元メタル者の観点からするとこの映画のメタル分は非常に薄くて、破天荒な主人公であるヘッシャー(ジョセフ・ゴードン・レヴィット)が好んで聞いてる音楽がたまたまメタルだっただけで、メタルじゃなくても全然成立する内容になってます。また音楽も要所要所に「メタリカ」とか「モーターヘッド」とかが使われていますが、結構いいところで終ってしまうので欲求不満がたまる結果に…。なので、メタルメタルした作品を期待していくと肩透かしを食らうと思います。

メタル視点での作品評はここまで。




妻であり母である女性を失った少年T.J(デヴィン・ブロシュー)たち一家に突然キ○ガイメタラーのヘッシャーが降臨し、奇妙な共同生活が始まっていく本作。TJにとって奴は、とにかくこの下品で、突拍子もない行動をイキナリはじめて、そのくせ突如として巻き込まれた側をほっぽり出すある種の天災のような存在な訳で、こいつを好きになれるか否かで本作の評価が180°変わってくるのかなと思います。



(ヘッシャーと愉快な一家)



個人的には「ぶっちゃけよく分からん」存在でした。その破天荒な行動も物凄い突き抜けた行動じゃなくて微妙にリアル感があるから、なんか引っかかりを感じるなと。やっぱり、もっとこちらが腹の底から笑えるようなバカっぽい行動をするキャラクターの方が良かった気がします。あと、T.Jの祖母マドレーヌ(パイパー・ローリー)以外の家族との交流が、もの凄い一方的に感じるような内容だったのも、個人的には不満でした。(もっと、レイン・ウィルソンにも絡めよ!)



(この外見は物凄くバカっぽくていいんだけど…)



ただ、今年4作目の出演作品鑑賞となった、ナタリー・ポートマンは個人的に凄くツボなキャラクターでした。メガネで、幸薄で、尚且つドジっ娘という、それまでの4作品とは全然違うキャラクターなのに、それをきっちり演じきったナタリーポートマンはやっぱり凄い。




(破壊的に可愛いメガネ姿のナタリー)



でも本作品のラストで妻の突然の死からレイン・ウィルソンはしっかり立ち直った訳だし、この後素人ヒーロー「クリムゾンボルト」として活躍していくんだと思うと胸が熱くなるな