俺と「2014年上半期の映画」

 毎年毎年「今年も結局映画ばっかし見てました…」と書いてる前置きですが、相変わらず今年も映画ばっかり見てるので、今年の上半期に見た映画の中で特にグッと来た映画たちと、あと上半期に映画を見ながらちょっと思った事をダラダラと書いていきましょう!


・劇場鑑賞作品数
 新作映画:107本
 その他映画:38本(旧作上映、大阪アジアン映画祭、イタリア映画祭など)
  計:145本

・劇場鑑賞回数
 新作映画:113回(「新しき世界」「アナと雪の女王」「アメイジングスパイダーマン2」等を複数回鑑賞)
 その他映画:38回
  計:151回

 去年の新作127本、旧作が40本と比較すると大分鑑賞ペースも落ち着いてきた感じがしますね。今年は新作映画の鑑賞回数がちょっと減ってますが、だいたいが未体験ゾーンとか未体験ゾーンとか未体験ゾーンとかの鑑賞本数が減ってきたせいだと思います(と言っても10本見てますが…)。一方で、旧作の方は塚口サンサン劇場が色々面白い邦画の特集上映をしてたり(去年の夏ごろから特集上映に良く通ってます)、シネ・リーブル梅田のジャック・タチ映画祭に通ったりして、こういう上映は色んな劇場で少しずつ増えてる気がしますな。あと、映画祭の方も相変わらず通ってますが、コレは去年と同じくらいかな。
 これだけ映画を見てますが全体的に思うのは「今年は見た映画がどれも面白かった!」と言う事ですね。いや、毎年同じような事言ってますが、新作映画のうち8〜9割ぐらいは大なり小なり見てよかった!と言うポイントがあったし、「予告編を見たときやポスターの印象とかでは見ないだろうなと思ったけど、見に行って良かった!」って印象を受ける作品が多かったですね。特に邦画で!
 と言う訳で、今年も良かった新作映画の中でもとりわけ特にグッと来たものを10本選んで見ました。今回もカウントダウン形式で発表しましょう。まずは10位から4位までです。


10.名探偵ゴッド・アイ

 今年の上半期はジョニー・トーの作品が2作品も劇場で見れて良かったです。もう一方の「毒戦」も去年アジアン映画祭で見たのに、もう1回見たほどに好きな作品ですが、緊張感のあるクライムアクションの「毒戦」とは毛色の違った、アンディ・ラウとサミー・チェンのコンビが最高な「名探偵ゴッド・アイ」も同じくらいに素晴しかったので、コチラを選出しました。この映画、画像にもあるようにアンディ・ラウが飯を食うシーンがいっぱいあるのですが、その飯を食う姿の美味そうな事…。おなかいっぱいにして行ったはずなのに、物凄く食欲が刺激される映画でした。


9.7番房の奇跡

 幼い頃に両親から「男が泣いて良いのは両親が死んだ時と娘が結婚したときだけ」という教えを受けた私なので、そんじょそこらの映画を見てもめったに涙を流さないのですが、この映画は両親からの教えを破るほどにとめどなく目から涙が溢れてしまったのですよ。父親と娘の愛情&冤罪&刑務所内での友情といういかにもな題材を、思いっきりベタな演出と分かり安すぎるほどのシンプルなストーリーで、コチラの涙腺にたまねぎを切ったときに出る物質をブッ込んで来るような映画でした。恥ずかしいほどに泣いた。


8.ダラス・バイヤーズクラブ

 頑張って感想書きました。http://d.hatena.ne.jp/rino5150/20140224/1393255614 感想の部分にはチョコッとしか書いてないですが、マシュー・マコノヒーとジャレット・レトの友情とも愛情も取れるあの関係、特にマコノヒーがレトに車から声をかけるあのシーンが印象的だったな。


7.LEGO(R)ムービー

 これも頑張って感想を書きました。http://d.hatena.ne.jp/rino5150/20140406/1396792562 2D吹き替えで見たのですが、3Dでも見てみたかった作品でしたな。敵役である「おしごと大王」も含め全てがサイコー!

 
6.アデル、ブルーは熱い色

 映画の序盤で主人公のアデルが当時付き合ってる男子に「私も色々好き嫌いなく音楽聴くけど、ヘビメタ、アレだけはダメ。ヘビメタだけは音楽じゃないよ!」って猛烈に私の愛するメタルをdisるシーンがあるのですが、このシーンだけでこの映画の世界に没入してしまった。最高だ。他にもアデルの口の周りにべったりとソースをつけながらボロネーゼを食べるシーンとか、学校で変なダンスを踊るシーンとか、話題になったアデルとエマのセックスシーンよりもこういった普通のシーンが何故か印象に残る、そしてその普通さが彼女の魅力にもつながってたように感じる映画だったな。


5.her/世界でひとつの彼女

 一週間前に見たばっかりの作品ですが、その世界観とSF的なテーマにガツーンとやられてしまいました。ただ、見終わった後に何度もこの映画の事を考えても、私の中で上手く考えがまとまらないので、自分の中でゆっくり反芻して消化していきたい作品だなと思いました。


4.結界の男

 9位に「7番房の奇跡」を選出しましたが、他にも韓国映画だと「新しき世界」というこれまたベスト10に入れたいような素晴しい作品があったり、「ファイ・悪魔に育てられた少年」や「恋愛の温度」なんていう作品も印象的だったりと、韓国映画は毎年面白い作品が多い。そんな韓国映画の中でも個人的に一番上半期好きなのがこの作品です。
 ベースはコメディ映画で今年の映画の中でも一番と言って良いほどに映画館で声を上げて笑ったのですが、それ以外にも思わずホロリと泣ける部分や、息を呑むようなカーチェイスや気合の入ったアクションシーンもあって、ホントに見ていて楽しかった作品でした。



 毎年言ってますが、このベスト10に入らなかったような作品が、何かのきっかけ―それは他の映画を見たり、もしかしたら日常生活の中で感じたことちょっとした事だったり―で、自分の中で特別な作品になって、あっさり入れ替わっちゃうこともあり得るランキングなので、年間ベストを作るときにはまた変わってるのかもしれません。と言う訳でベスト3も発表しちゃいましょう。


3.アメイジングスパイダーマン2

アメコミ映画では「キャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャー」や「X−MEN:フューチャー&パスト」も素晴しくて、コレもベスト10入りしてもおかしくないほどの出来でしたが、私はやっぱりスパイダーマンとピーター・パーカーが大好きなんだなと感じさせてくれた作品でした。感想も勢いで書いたよ。http://d.hatena.ne.jp/rino5150/20140428/1398691640
 

2.ニシノユキヒコの恋と冒険

 竹野内豊演じるニシノユキヒコが、尾野真千子や本田翼、成海璃子たちが演じる女性たちと恋に落ちるという映画なのですが、キャストが演じるの魅力はもちろんのこと、この映画の持つ雰囲気、例えば画面構成とか、動物の使い方とか、中村ゆりかちゃんがおにぎりをムシャムシャ食べるところとかが凄くツボで素晴しかったですね。
 映画の中盤の葬式のシーンで、バンドが凄く変な曲を演奏してるんですが、初めは雑音にしか聞えなかったのに、ずっと聞いてる(聞かされると言った方がいいかも)といつの間にかクセになってる、まさしくそんな感じの映画でした。

 
1.ぼくたちの家族

 上半期で一番「俺の映画」だったのがこの映画でした。感想に色々書いたけど、読み返してみて自分の中の俺の映画って感覚はなかなか伝えにくいなと思うのでした。http://d.hatena.ne.jp/rino5150/20140629/1404050815


 さて、ここからは新作映画以外の映画の事をちょこっと書きますね。去年よりも断然増えたのが旧作のリバイバル・特集上映で、塚口サンサン劇場では「ドカベン」「ゴルゴ13」「女囚701号/さそり」「御用牙・かみそり半蔵地獄責め」なんかの珍作怪作を目の当たりにした「35mm実写漫画大全」に足繁く通ったりしました。他にもテアトル梅田の「TSUTAYA発掘良品映画祭」では「パリ・テキサス」「蜘蛛女のキス」「オール・ザット・ジャズ」なんかの名作を見れて良かったですよ。
 そしてそんな中でも特に印象に残ったのが、シネ・リーブル梅田で上映してたジャック・タチ映画祭で「トラフィック」「ぼくの伯父さん」「ぼくの伯父さんの休暇」なんかは劇場で周りの人と一緒にゲラゲラ笑って最高に良かったな。あまりにジャック・タチにハマってたので、物凄いペースで劇場に通いすぎて、あっという間に特集上映のスタンプを集めてしまい、顔なじみの劇場の人がちょっと笑ってたりしたのも良い思い出ですな。


 そして、今年も大坂アジアン映画祭、イタリア映画祭と大阪で開催された映画祭にも行ってきました。イタリア映画際では去年の「来る日も来る日も」みたいな強烈な作品は無かったですが、「マフィアは夏にしか殺らない」「ようこそ、大統領!」「自由に乾杯」などのイタリアの歴史や政治と国民性を風刺したような作品が中々面白かったなと思いました。
 アジアン映画祭は日本統治時代の台湾を描いた「KANO」やハ・ジョンウ監督作の「ローラー・コースター」、ポップな台湾映画「甘い殺意」なんかも面白かったけど、「サンシャイン・ラブ」という韓国映画が個人的に大ヒットでした。この映画を見た翌日に、たまたま別の映画のサイン会の後で監督のチョ・ウンソンさんを発見し、(私にしては)超勇気を振り絞って監督に話しかけて「映画マジで最高でした!次回作も超楽しみにしてます!」とクソ下手な英語で伝えて(というか伝わってると良いけど…)握手してもらったのは、この映画祭に3年ほど通ってるけど一番印象に残る出来事になったよ。


 結局、今年の上半期も映画ばっかり見てた訳ですがなんだかんだで反省する気も特にないので、下半期も自分のペース(普通の人には多すぎるペース)で映画を見に行きたいと思いますよ。下半期も良い作品たちに出会えるといいな。