俺と「ミスター・ノーバディ」

ミスター・ノーバディ見たぜ@高槻セレクトシネマにて。

ちょっと前に「バタフライ・エフェクト」っていう映画がありましたよね。大好きでたまらん彼女と結ばれるために、さまざまな選択を主人公が繰り返していく映画でしたが、このミスター・ノーバディもテイスト的に非常に似た映画だと感じました。(作中に、何度もバタフライ効果が示唆されるしね。)
バタフライエフェクトが主人公とヒロインのベストエンディングを探し続けるために選択を繰り返す映画だったのに対して、この映画は何かの目的があって選択を繰り返すのではなく、選択したものがもたらす結果を淡々と描いている作品だなと感じました。(バタフライ・エフェクトアドベンチャーゲームだけど、この作品はシミュレーションゲームだとおもう。)



(三人のヒロインの仲から、一番好きなヒロインを選んでねとかそういう映画ではない。)


明確な目的が明示されているわけではない上に時間軸も行ったり来たりするために、非常に抽象的で難解な映画だと思う一方で、個々の映像の素晴らしさとSFマニアの琴線をくすぐるようなキーワード(熱力学の第二法則や、有性生殖と無性生殖の戦いなど)の持つ魅力に完全にやられてしまいました。


女優さんの中ではサラ・ポーリーの演じるエリースの魅力が素晴らしかったなと思うわけですよ。でも主人公と彼女の間には埋められない深い溝がどの選択肢にも顕在化してしまうのが悲しくもあり、だからこそ魅力的なキャラクターに思えるのかなと感じますね、



サラ・ポーリーがヒロインでいいよ俺は)


難解でとっつきにくくもある作品なので万人にオススメって感じではないですが、それを補って余りある魅力がある作品だと思うのでやっぱりオススメしておこう。



(誰にでも訪れる大事な選択)